ホワイトボックスサーバやOpen Compute Platformへのシフトにより、大手サーバメーカーの売り上げが減少すると見られている。だが、ホワイトボックスサーバメーカーにも弱点がある。
HPEが直近の業績を公表した。その数字によって、クラウドコンピューティングの影響を受けたサーバメーカー各社が直面している問題が浮き彫りになった。
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同社は2017年第1四半期の決算で、サーバ部門の売り上げが11%減となったことを明かした。CFO(最高財務責任者)のティム・ストーンサイファー氏は、その理由を「コアサーバ市場が予測以上に軟調だったことに加えて、施策に関する複数の課題も判明した」と説明した。
金融専門サイト「Seeking Alpha」内ブログへの投稿で、HPEのCEOメグ・ホイットマン氏は、同社の同四半期の収益を引用しながら次のようにコメントした。「収益は、市場環境の厳しさが反映された結果となった。特にコアとなるサーバとストレージの各分野においては、影響が大きかった。また、ある顧客とティア1(主要取引先)の大手サービスプロバイダーが非常に激しい競争に直面していることから、当社製品の需要が大きく落ち込んだ」
金融アナリストとの質疑応答で、HPEのサーバおよびストレージ事業はクラウドコンピューティングによる打撃を受けていることをホイットマン氏は認めた。一方、同社は現在「HPE Synergy」シリーズを前面に打ち出して、プライベートクラウドおよびハイブリッドクラウドの分野に力を入れていると同氏は説明した。
「目下われわれはSynergyシリーズに注力しているが、当社にはSGIの力も加わったのでハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)事業の売り上げも今後期待できる」とホイットマン氏は付け加える。「Synergyは重要な製品だ。この製品によって、われわれはオンプレミスのプライベートクラウドという選択肢を顧客に提供できる。TCO(総所有コスト)の面でも使用量ベースの価格設定モデルの面でも、パブリッククラウドに代わるものとして提案できる。それにわれわれは最近、いったんパブリッククラウドへ移したワークロードをオンプレミスのデータセンターへ戻す顧客が増えていると認識している。その方が、費用対効果が高いからだ」
HPEの決算報告の場では、契約メーカーの影響、すなわちクラウドプロバイダー向けにホワイトボックスサーバを製造しているODM(Original Design Manufacturing:委託者のブランドで設計・製造すること)メーカーの影響はないのかという質問も挙がった。だが、HPEとODMメーカーの間で激しい競争が起こっているかどうかについて、ホイットマン氏は言及しなかったようだ。また、ティア1のサービスプロバイダーからの発注が減少したことがHPEのサーバの売り上げに直接響いたことに対して、同氏は次のように答えた。「実は私自身も、売り上げ減の理由について全面的に納得しているわけではない。私からお話しできることは、そのプロバイダーの購買額の実績が、事前に約束されていた額に比べて大幅に少ない数字になったということだ」
クラウドやサービスのプロバイダーがホワイトボックスサーバを選択してインフラのコストを削減し、大手サーバメーカーの売り上げが落ち込むというシナリオは、特に珍しくはない。調査会社Synergy Research Group(SRG)の主席アナリスト兼リサーチディレクターのジョン・ディンスデール氏は、次のように指摘する。
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