「最悪のシナリオ」対策とメール監査体制構築のススメGDPR順守だけではない電子メールセキュリティ(後編)

メールに起因する最悪の事態は常に起こり得る。こうした事態の対策と、開封確認メッセージを利用して「メール監査」ができる体制を作っておこう。GDPRに順守しつつ、組織を守る一助となる。

2017年11月22日 08時00分 公開
[Peter Ray AllisonComputer Weekly]

 前編(Computer Weekly日本語版 11月1日号掲載)では、電子メールのセキュリティに有効な各種対策方法を紹介した。後編では、DMARCによる偽装アドレスメールの防御、開封確認メッセージによる監査、そして「最悪の事態」への対処法を解説する。

Computer Weekly日本語版 11月15日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 11月15日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

DMARCの導入

 「DMARC」(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance:ドメインベースの認証、レポーティング、適合)を電子メール認証に使用すると、主要な攻撃手法の1つである偽装アドレスを使用した電子メールをブロックできる。電子メールのリスク評価ツールを使用しても、疑わしい電子メールを特定し、後で解析するために隔離できる。

 DMARCは大企業や公的機関で導入されるのが一般的だ。中小企業(SME)も、利用しているインターネットプロバイダーや電子メールプロバイダー側でDMARCを導入できるかどうかの調査を求めることができる。

 小規模組織の場合は、全ての電子メールが外部委託サプライヤーの電子メールスキャンサービス経由で組織の電子メールサーバに転送されるようにすることを検討すべきだ。

 また、ネットワークのセグメント化によって、電子メールサーバを他のネットワークから隔離して、機密度の高いネットワーク領域へのアクセスを制限することも検討しておきたい。ネットワークのセグメント化は、規制されたアクセス制御と侵入検知を併せて導入することにより、アクセスを細かく制限することが欠かせない。

 電子メールフィルタリングは、電子メールがサーバに届く前に通過するネットワークアプライアンスに導入する。この手法を利用すると、疑わしいプログラムを仮想サンドボックス環境の中でアクティブ化することで、ホストやネットワークのアクティビティーを検査し、マルウェアを発見できる。

最悪のシナリオ

 組織は最悪のシナリオを考えて、惨事が起きたときの手順を整備し、この手順を定期的に更新すべきだ。「もしも」ではなく、「実際に」マルウェア感染がネットワークで広がったときに何をすべきかを詳しく記述しておく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

脅威の一歩先を行く対策を、エッジからクラウドまで網羅するデータセキュリティ

データの増大やサイロ化に伴い、セキュリティ対策の重要性が高まっている一方、サイバー脅威の高度化もとどまるところを知らない。こうした中、エッジからクラウドまで網羅するデータセキュリティは、どうすれば実現できるのか。

技術文書・技術解説 Datadog Japan合同会社

本当に対策すべき脆弱性は? 調査で判明したWebアプリ脆弱性の7つのファクト

Webアプリに潜む脆弱性においては、その特定と修正が不可欠だ。Webアプリの脆弱性を再評価した調査によると、97%の脆弱性の優先順位を下げられることが判明した。調査結果を基に、Webアプリの脆弱性に関するファクトを紹介する。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

VPNの課題を解消し、安全なリモートアクセス環境を構築するための方法とは?

VPNはリモートアクセスを実現するための主要なツールだが、一方で、セキュリティや拡張性に課題が残る。こうした課題を解消するソリューションとして注目されているのが、「ZTNA」だ。本資料では、VPNの課題とZTNAの有効性を解説する。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

ユーザー企業調査で見えたSASEのビジネス価値、利益やコストはどれだけ変わる?

リモートワーク時代のセキュリティ対策として主流となりつつあるSASE。だがその導入によってどのようなメリットが見込めるのか、懸念を持つ企業もまだ多い。そこでユーザー企業への調査を基に、利益やコストといったSASEの特徴を探った。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

従来手法より40%多く攻撃を阻止、クラウド時代のWebベース脅威への対処法とは

SaaSアプリの多用によるWebアクセスの脆弱性拡大は、フィッシングやランサムウェアといった、Webベース脅威の勢いを加速させた。これらに対し、企業はどう対処すればよいのか。求められる5つの機能や、有効なアプローチを解説する。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news253.jpg

「AIエージェント」はデジタルマーケティングをどう高度化するのか
電通デジタルはAIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI」の大型アップ...