iOSを起動させる「iBoot」のソースコード流出はなぜ起きた? セキュリティへの影響を解説「GitHub」で2018年2月に一般公開

iOSデバイスが搭載する「iBoot」のソースコードが2018年2月、「GitHub」で一般公開された。そのいきさつとiOSのセキュリティに及ぼす影響を解説する。

2018年06月23日 05時00分 公開
[Michael CobbTechTarget]

関連キーワード

iOS | Apple | 脆弱性対策 | 脆弱性


画像

 Appleの「iOS」デバイスに搭載されている起動プログラム「iBoot」のソースコードが2018年2月、ソースコード共有サイト「GitHub」で一般に公開された。ソースコードの流出はどのくらい重大な事態なのか。iBootに対して潜在的にどんな影響を及ぼしたのか。振り返ってみよう。

 iOSデバイスが起動する際、プロセッサは即座に「Boot ROM」というROMに格納されている起動プログラムを実行する。Boot ROMはプロセッサ製造の過程で設計され、暗黙に信頼されている。このBoot ROMに含まれるAppleのルート証明書(認証局が自身に対して発行するデジタル証明書)は、iBootを起動するためのプログラム「Low-Level Bootloader」(LLB)を読み込むためのデジタル署名の検証に使う。

 iBootは、iOSの最も基本的なレベルで完全性の検証を担う。その後Appleのデジタル署名が入ったソフトウェアのみを読み込み、続いてiOSがフル起動する。iBootのような起動プログラムは、OSの安全性を保つために欠かせない。そのソースコードが一般に流出したことで、iOSデバイスのセキュリティは脅かされるのか。

 汎用(はんよう)プログラミング言語のC言語で書かれたiBootのソースコードは2017年、まずソーシャルニュースサイト「Reddit」の、「Jailbreak」(脱獄:Appleの管理下から逃れること)に関するサブフォーラムに投稿された。投稿者が新規ユーザーで、Redditでほとんど知名度がなかったことから、当時はほとんど注目を集めなかった。ところがこれがGitHubに登場するとビッグニュースになった。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...