「質の悪いデータからでもよい分析結果が得られる」という考え方は、ビッグデータ分析には有効かもしれない。しかしCIO(最高情報責任者)であれば、このアプローチをビジネス変革に用いるのは我慢した方がよい。
データ処理に関する古い格言に「ガベージイン・ガベージアウト」(ごみを入れてもごみしか返ってこない)というものがある。この格言は「信頼性の低いデータソースに基づいて作成したレポートからは質の高い情報は生まれない」ということをITリーダーやビジネスリーダーに喚起していた。
最近の新しいキャッチフレーズに「ガベージイン・ゴスペルアウト」(ごみを入れたら聖歌が返ってきた)というものがあるが、これはCIO(最高情報責任者)にとってあまり意味を持たないだろう。この言葉は「たとえ質が低くても、十分な量のデータさえあれば優れたレポート、分析、意思決定を生み出せる」という管理部門やIT部門の信仰を映し出している。つまり大量のデータを用意すれば、その価値の低さは補えるという考え方だ。
「ガベージイン・ゴスペルアウト」のアプローチは、ビッグデータに関するプロジェクトでは当てはまる部分もあるかもしれない。だが業績、顧客対応、財務、コンプライアンス、人事など、業務に関する運用や社内の意思決定を後押しするために用いてもほとんど効果はない。
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