組織のCIOはブロックチェーンにどうアプローチすべきか。ブロックチェーンへの対応は本当に必要なのだろうか。6人のCIOに、ブロックチェーンへのアプローチ方法とそれぞれのビジネスへの潜在的影響について聞いた。
ブロックチェーンの概念を説明するのは難しいが、だからといってこの話題が下火になる気配はない。ブロックチェーンは今後の事業運営と情報セキュリティ手法に非常に大きく影響することになると、さまざまな専門家が示唆している。
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最も単純なレベルでいえば、ブロックチェーンはデジタル通貨「ビットコイン」を支えるテクノロジーだ。ブロックチェーンとはデジタル台帳だ。この台帳は、プログラミングが可能で、さまざまなソースやオブジェクトから取得した金融取引やデータを記録できる。台帳は集団の協力を通じて作り出され、唯一無二の真実を表す。
調査会社Gartnerの提言によれば、一元化される台帳に複数の取引を格納できることがビジネスを変えるという。また、非常に多くの市場の関心がブロックチェーンの可能性に集まっているとしている。Gartnerの「Gartner Hype Cycle for Emerging Technologies」(先進テクノロジーのハイプサイクル)では、ブロックチェーンがピークに近づいている。だが、同社のアナリストは、ブロックチェーンの採用が主流になるのは2021〜2026年ごろになると予測している。
では、CIO(最高情報責任者)はブロックチェーンをどのように考えているのだろう。このテクノロジーをどのように分析し、将来組織にどのように影響すると捉えているのだろう。Computer Weeklyは6人のCIOにインタビューを実施し、現時点と長期的な視点から、ブロックチェーンへのアプローチ方法とそれぞれのビジネスへの潜在的影響について意見を聞いた。
今回は、Capital One EuropeのCIOロブ・ハーディング氏と、ベンチャー育成企業Blenheim Chalcot Accelerateのグループ技術責任者マーク・リドリー氏の意見を紹介する。
Capital One EuropeでCIOを務めるロブ・ハーディング氏は、ブロックチェーンの影響力についてかなりの調査を個人的に行っているという。また、Capital Oneの世界各地の各部門でも、このテクノロジーの潜在的な役割について分析を行っている。「個人的にブロックチェーンは非常に興味い」と同氏は話す。
「銀行業界の特定部門には大きな影響があるだろう。だが、このテクノロジーは現在ハイプサイクルのピークに達しているとも考えている。ブロックチェーンは少し失速することによって、ユーザーが賢明に対応できるレベルまで沈静化する必要がある。恐らく、ブロックチェーンの準備を本格的に整え、効果的に運用できるようになるにはもう少し協力関係が必要になるだろう」
ブロックチェーンは多くの場合、複数の団体で共有リソースレイヤーを作るために使用される。外部組織同士が情報を共有し、確認できるようになる可能性は、ブロックチェーンの1つのユースケースを表している。だがハーディング氏は、ファイアウォールを越えるのではなく、企業内部でこのテクノロジーを応用することで大きなメリットがあるのではないかと考えている。
「他の多くの大規模組織と同様、当社でも全く共通点のない多様なシステムを使用している。中には適切に統合されているシステムもあるが、統合が進んでいないシステムもある。顧客に単一のビューを提供しようとすると、分野によって簡単だったり難しかったりする。個人的に興味があるのは、経営幹部が企業内部でブロックチェーンを利用する方法だ」
「全てのシステムが単一の台帳を利用し、同時にアクセスするシステムは作成できないだろうか。このような方法でブロックチェーンを使用すれば、顧客向けに単一ビューを作成する際にCIOが直面する多くの問題の解決に役立つ可能性がある」(ハーディング氏)
ベンチャー育成企業Blenheim Chalcot Accelerateでグループ技術責任者を務めるマーク・リドリー氏は、ブロックチェーンの潜在能力を既に確信しているという。
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