Chromebookで使うOffice Online/Office 365の現実信者が語るChromebook&G Suiteの魅力(後編)

ChromebookでG SuiteではなくMicrosoft Officeを使う場合、何ができて何ができないのか。Chromebookをビジネスで活用する際に避けては通れない問題を検証する。

2019年01月04日 08時00分 公開
[Tim AndersonComputer Weekly]

 前編(Computer Weekly日本語版 12月5日号掲載)では、Chromebookが直面する現実とG Suiteのコラボレーションの概要を紹介した。

 後編では、Office Online(特にWord Online)の制限事項とAndroidアプリのMicrosoft OfficeをChromebookで使う場合の注意点などについて詳しく解説する。

 ChromebookでOffice Onlineを使うのは簡単かつスムーズだ。だが、ブラウザ版の「Word」「Excel」「PowerPoint」は、デスクトップ版と同一の機能を提供することを目的とはしていない。例えば「Word Online」には次のような制限がある。

  • Officeアドインは機能するがマクロは実行できない
  • Information Rights Management(IRM)で保護されているドキュメントは、表示できても編集できない
  • 段落スタイルの作成や変更はできない
  • 変更の追跡、ドキュメントの結合、比較、組み込みは機能しない
  • 複数列のレイアウトは作成できない
  • 脚注と文末脚注を付けることは可能だが、文献目録、目次、索引、数式、透かしはサポートされない
  • ユーザー辞書、翻訳ツールなどの校正ツールはサポートされない
  • 動画やスプレッドシートなどの高度なメディアは挿入できない
  • 図形、グラフ、テキストボックスはサポートされない
  • 表は使えるが、表内の数式は機能しない

 これらと同様の制限は「Excel Online」にもある。

  • 30MBを超えるブックは表示できない
  • 条件付き書式は表示できても適用できない
  • Power PivotやPower Viewなどの分析ビューは表示しかできない
  • ほとんどの関数は機能するが数式の範囲が制限される
  • グラフの範囲が制限される

 とはいえ、制限をあげつらうとOffice Onlineの機能を低く評価することになりかねない。そのため、使用可能な機能もたくさんあることを付け加えておきたい。またMicrosoftはドキュメントの忠実性を確保するため、デスクトップ版にしかない機能で作った要素はオンラインで編集しても保持される。

 Word、Excel、PowerPointのリアルタイム共同編集は、複数のユーザーが同じドキュメントを同時に編集できる機能だ。Office Onlineでも使えるが、Office 365、OneDrive、「SharePoint Server」のいずれかが必要だ。ファイル形式はXMLベース(.docx、.xlsx、.pptx)でなくてはならない。

 作業中に他のユーザーの編集内容を表示でき、自分の選択範囲は緑で、他のユーザーの選択範囲は別の色で表示される。各選択範囲にカーソルを合わせれば、その範囲を編集しているユーザーを確認できる。

 ChromebookでMicrosoft OfficeのAndroidアプリを使用する選択肢もある。注意が必要なのは、Office 365のサブスクリプションを購入していないと使えない機能があることだ。




続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。






Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

市場調査・トレンド SUSE ソフトウエア ソリューションズ ジャパン株式会社

ベンダー依存から脱却、柔軟かつ統合的なLinux環境を構築する方法とは?

エンタープライズ向け技術は、Linuxを中核に据え、オープンソースで動作しているものが多い。しかし近年、一部のベンダーが契約による囲い込みを強めており、ベンダーロックインのリスクが高まっている。安定したLinux運用を実現するには?

製品資料 株式会社野村総合研究所

運用効率化に欠かせないITSMツール、ノンカスタマイズが正解とは限らない?

ITサービスへの要求は年々増大しており、その対応を手作業でカバーするには限界がある。そこで導入されるのがITSMツールだが、特に自動化機能には注意が必要だ。自社に適した運用自動化や作業効率化を実現できるのか、しっかり吟味したい。

製品レビュー 株式会社クレオ

現場でカスタマイズ可能なITシステム、コストと時間をかけずに実現する方法とは

業務効率を高めて生産性を向上させるために、多くの企業がITシステムの導入を進めている。しかし、自社の業務に合わないITシステムを導入してしまっては、逆に生産性が低下する可能性も高い。この問題をどう解決すればよいのだろうか。

製品レビュー グーグル合同会社

重要なエンドポイントを守る、Chromeブラウザを企業向けに安全性を強化する方法

世界中で広く利用されているChromeブラウザは、業務における重要なエンドポイントとなっているため、強固なセキュリティが必要となる。そこでChromeブラウザを起点に、企業が安全にWebへのアクセスポイントを確立する方法を紹介する。

製品資料 グーグル合同会社

Chromeの拡張機能:企業における今求められる管理戦略とは

Google Chromeの拡張機能は生産性の向上に不可欠な機能であり、ユーザーが独自にインストールできる一方、IT管理者を悩ませている。ユーザーデータを保護するためにも、効率的な運用・監視が求められるが、どのように実現すればよいのか。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。