エンドポイントセキュリティ対策の新製品
法人向けウイルスバスターの後継「Apex One」 EDR機能を搭載
トレンドマイクロの「Trend Micro Apex One」は、事前予防(EPP)と事後対処(EDR)の機能を単一製品にまとめた法人向けエンドポイントセキュリティソフトだ。可視化機能や予測技術で差異化を図る。
トレンドマイクロが2019年7月に提供を開始する「Trend Micro Apex One」は、同社の法人向けエンドポイントセキュリティ製品「ウイルスバスター コーポレートエディション XG」(以下、ウイルスバスターXG)の後継だ。Apex Oneはマルウェア感染を未然に防ぐための「EPP」(エンドポイント保護プラットフォーム)の機能と、感染後の検知や処置を適切に実行するための「EDR」(エンドポイント脅威検知・対応)の機能を1つの製品に統合。企業のインシデント処理にかかる負担軽減や時間短縮を支援する。インシデント調査・分析のために侵入経路を可視化する機能の追加と、脅威を検出するAI(人工知能)技術の改良が、ウイルスバスターXGからの主な強化点だ。
ウイルスバスターXGは、パターンマッチングによるマルウェア対策をはじめとするEPP機能のみを搭載していた。Apex OneはこれにEDR機能を加えることで「単一ソフトウェアによる簡単かつ迅速なインシデント処理を実現する」と、トレンドマイクロ担当者の宮崎 謙太郎氏は説明する(図1)。
EDRや機械学習で巧妙化する脅威に対処
Apex OneはEDR機能として、潜在的な脅威や侵入プロセスの可視化機能を備える(画面1)。テレワーク利用などで社内LANに接続していない端末についても、侵入経路の可視化やネットワークの遮断が可能だ。これらの可視化には、トレンドマイクロのセキュリティ技術・機能群「Trend Micro Smart Protection Network」で提供するスレットインテリジェンス(攻撃手法や手順といった脅威情報)を利用する。「セキュリティに詳しくない人でも視覚的に状況を分析できるようになり、インシデント対処にかかる時間を削減できる」と宮崎氏は話す。
「巧妙化するサイバー攻撃に対抗する」(宮崎氏)べく、脅威検知機能を充実させた。Apex OneはウイルスバスターXGに搭載されている脅威判別エンジン「機械学習型検索」のアルゴリズムを改良し、マルウェアが実行される前にその挙動を予測する手法を新たに採用した。ファイル形式やプログラムの書き方などマルウェア自体の特徴を分析した結果と、プログラムの挙動を予測した結果を組み合わせ、マルウェアかどうかを判断する。ウイルスバスターXGの機械学習型検索は、マルウェアかどうかを判断する際、プログラム解析と実行中のプロセス解析の結果のみを利用していた。
Apex Oneの機械学習型検索は、インターネットに接続していないオフライン環境でも利用できる。機械学習に必要な学習モデルを事前に端末に配布することで、これを実現する。「工場などインターネット接続がない業種固有の環境でも、問題なく利用できる」(宮崎氏)
実行プログラムを使わず、対象のPCで悪意あるスクリプトを実行させる「ファイルレス攻撃」への対策技術も追加した。マルウェアが悪意あるスクリプトをPCのメモリに展開する際、Apex Oneはファイルの複製やファイアウォール設定の変更などの操作が勝手に実行されていないかどうか挙動を監視する。悪意あるスクリプトによる有害な操作を検出するための「メモリ検索」技術も向上させ、ファイルレス攻撃に対する防御力を強化した。宮崎氏によれば、機能を悪用したファイルレス攻撃が増加しており、Apex Oneの一連の機能は「そうした『見えない攻撃』の検知につながる」という。
価格については、1000~1999ライセンス導入の場合、1ライセンス当たり年額6600円(価格はいずれも税別)。EPP機能単体でも購入可能で、その場合は1ライセンス当たり3300円となる。
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