効果的なマーケティングに必須
機械学習でパーソナライゼーションを強化する5つのコツ
パーソナライゼーションエンジンは機械学習を利用してコンテンツを個々の顧客向けに最適化する。企業がパーソナライゼーションを強化するコツを紹介する。
パーソナライゼーションは、効果的なマーケティングに必須の機能だ。パーソナライゼーションの継続的な取り組みが顧客エンゲージメントや長期的なロイヤリティー(忠誠心)の向上につながることが、調査で分かっている。動画配信サービスのNetflixによる映画のレコメンデーションや、音楽配信サービスのSpotifyによる音楽の提案、EコマースのAmazon.comによる特別なプロモーションは、パーソナライズされたコンテンツが一般化しているだけでなく、消費者から期待されるようになっていることを示している。
企業は機械学習を利用して、パーソナライゼーションを実現している。機械学習はコンテンツをパーソナライズするツールの切り札となっている。Evergage、Monetate、Certona、Dynamic Yieldなど、多くのパーソナライゼーションエンジンベンダーがこの機能を提供しており、こうしたベンダーの製品の需要は拡大している。米調査会社のGartnerが最近発行したパーソナライゼーションエンジンに関するベンダー評価レポート「Magic Quadrant」の2019年版によると、パーソナライゼーションエンジンの普及率は2016年から28ポイント上昇している。
機械学習でパーソナライゼーションを強化するには、パーソナライゼーションがどのような顧客行動に影響を与えるかを明確に見据え、コンテンツの関連性を確立するための最も効果的な手段を選択する必要がある。顧客とのやりとりの過程では、パーソナルな趣向を加えるのに最適なポイントがある。
パーソナライゼーションとカスタマイズを区別することも重要だ。マーケティングシステムは、顧客の利益のために前者を実行する。これに対して後者は、顧客が自分の求めるコンテンツにこだわって実行する意図的な選択の結果だ。パーソナライゼーションは予測に基づいており、機械学習が不可欠となっている。
以下では、パーソナライゼーションを機械学習で強化する5つのコツを紹介する。
1.人口統計データを使用する
人口統計データが、顧客の行動や好みの違いを説明する場合がある。例えば郵便番号は一般的に、顧客の全体的な社会経済的プロファイルを示す。郵便番号から分かる居住地域の情報には、小売店舗からの距離や平均年収、平均年齢、民族構成、生徒・学生数などがあり、既婚者率まで分かる場合もある。企業は人口統計データを手に入れて適用することで、予測モデルを改良でき、これによってパーソナライゼーションのための最終的なデータ処理を簡素化できる。
2.自社のソーシャルメディアオーディエンスを知る
複数のチャネル(経路)にまたがったクロスチャネルのパーソナライゼーションは、優先度の高い施策だ。顧客がどのソーシャルメディアを選択するかは、顧客がどの程度モバイルコミュニケーションに慣れているかと密接に関連する。顧客の好みには基本的な人口統計データも関連している。年齢層や社会グループが異なると、異なるソーシャルメディアを好む傾向があるからだ。ジェネレーションZ(注1)は「Instagram」や「Snapchat」を好むのに対し、ジェネレーションX(注2)やミレニアル世代(注3)は「Facebook」を選ぶ傾向がある。
※注1:1990年代半ば以降、または2000年代初頭に生まれた世代。
※注2:1960年代から1980年代初頭に生まれた世代。
※注3:1980年代から2000年代初頭に生まれた世代。
3.足跡をたどる
個々の消費者への深い理解に基づいてパーソナライゼーションをするには、消費者の人口統計データや社会グループ行動に加えて、オンライン行動の機械学習も必要になる。ユーザーのサイトナビゲーションパスは、ユーザーの好みについて多くのことを物語る。閲覧継続時間も、ユーザーの優先事項に関する基本的な洞察を提供する。ユーザーがページ間を行ったり来たりしているときは、貴重なデータが生成される。機械学習では、こうした行動データ(特に、繰り返し訪問したWebサイトでの)を全て取り込み、顧客と、顧客にとって何が重要かを示すプロファイルを提供できる。
4.対象規模に応じた関連性を実現する
パーソナライズされたコンテンツ選択の厳密さや精度は、オールオアナッシング(全か無か)のアプローチで追求するものではないことを理解することが重要だ。NetflixやSpotifyは、最初からユーザーごとにパーソナライゼーションをしていたわけではない。両社が今、そうしたレベルのパーソナライゼーションを実現しているのは、システムを進化させることができたからだ。
特定の消費者との関連性があるコンテンツを提供するには、まず人口統計データを基に、ターゲット消費者層を複数のセグメントに分割する。さらに販売データを基にセグメントを細分化し、最後にオンライン行動に基づいて、個々の消費者をターゲットに設定する。企業は、こうしたパーソナライゼーションの進化の各段階で、機械学習を効果的に活用できる。
5.クロスチャネルコンテンツをパーソナライズする
機械学習によるパーソナライゼーションの強化を成功させるには、顧客がどのチャネルを使っていても、きめ細かいパーソナルなサービスを受けていると実感できるように、全てのチャネルにわたってコンテンツをパーソナライズする必要がある。企業Webサイトの商品ページは、個人の好みに応じて動的に表示すべきだ。予測型広告は、消費者が選んだソーシャルメディアに展開する必要がある。メールもパーソナライズコンテンツのリポジトリとしてフルに活用するとよい。メールに最適化済みのコンテンツを付加するのは、Webページを動的にレンダリングするよりも簡単だからだ。
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