バッテリー消費が速くなる問題も
「macOS Catalina」では32bitアプリが動かない?
Appleの「macOS Catalina」には、従来のアプリケーションとの相性や新ファイルシステムの挙動などに幾つかの問題がある。macOS Catalinaの導入を決める前に考慮すべき点を解説する。
Appleは2019年10月に、同社のクライアントデバイス「Mac」向け最新OS「macOS Catalina」の提供を開始した。企業はmacOS Catalinaを導入する前に「自社の環境でmacOS Catalinaを安定して運用できるかどうか」を検討すべきだ。
macOS Catalinaには幾つかの難点がある。企業がmacOS Catalinaを導入するかどうかの判断は、従業員のMacの使い方に左右される。
macOS Catalinaの最も重要な変更点の一つ は、32bitアプリケーションのサポートを打ち切ったことだ。これにはMac向け仮想化ソフトウェア の「VMware Fusion」やオフィススイートの「Microsoft Office」、Intuit製の会計ソフトウェア「QuickBooks」などの古いバージョンも含まれる。
macOS Catalinaで動かなくなるアプリケーション
ユーザーが、32bitアプリケーションをインストールしたMacにmacOS Catalinaをインストールすると、インストール済みのアプリケーションは動かなくなる。その場合、ユーザーが32bitアプリケーションを使わずに済ませるか、企業がそのアプリケーションの64bit版または別のアプリケーションに置き換える必要がある。ただし、もともと代替策が取れないために使われてきた一部の32bitアプリケーションの置き換えは不可能だろう。
これらの問題は生産性と、ITシステムの運用にかかるコストに影響する。企業にとって現実的な選択肢が32bitアプリケーションを使い続けることである場合は、それらのアプリケーションを置き換えたり、廃止したりする準備が整うまでは、macOS Catalinaにアップグレードしない方が良い。
Adobe製品群は、macOS Catalinaの影響を大きく受けている。例えば画像編集ソフトウェア「Adobe Photoshop」の旧バージョンの一部は、32bitのインストーラを使用している。クリエイター向け製品/サービス群「Adobe Creative Cloud」のアプリケーションも、32bitのコンポーネントを一部含んでいる。加えてAdobe製品には、macOS Catalinaで正常に動作しないといった問題が発生している。Adobeはユーザー企業に対し、これらの製品については非本番環境のmacOS Catalinaで十分にテストし、全てが期待通りに機能することを確認するよう勧めている。
新ファイルシステムが抱える課題
macOS Catalinaの新しいファイルシステムは幾つかの問題を引き起こす可能性がある。問題の一つは、macOS Catalinaがエンドユーザーに「アプリケーションが情報を利用することを許可するか、拒否するか」の確認を求める画面を頻繁に表示することだ。こうした状況は、“ダイアログ疲れ”につながりやすい。ダイアログ疲れはエンドユーザーが確認画面の表示頻度の多さにうんざりし、何でも許可してしまうことを指す。エンドユーザーがアプリケーションによる特定の情報の利用をうっかり拒否してしまい、そのせいでアプリケーションが適切に機能しなくなる問題を招く恐れもある。
新しいファイルシステムが、「Python」や「AppleScript」などのプログラミング言語で作成されたスクリプトの動作に不具合を発生させる場合もある。そうなるとエンドユーザーの生産性に影響する。
macOS Catalinaに関しては、他にも複数の問題が報告されている。その中にはインストール時のフリーズ、ログインのエラー、低いパフォーマンス、クローニングの問題、バッテリー消費の速さなどが含まれる。企業はmacOS Catalinaが安定するまで、移行を待った方がよさそうだ。安定しても企業はmacOS Catalinaを十分にテストし、自社でビジネスに使用する全てのアプリケーションが問題なく利用できることを確認する必要があるだろう。
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