“偉大なOS”「Windows 7」を振り返る【後編】
「Windows 7」のWindows XPからの移行の“苦痛”はWindows 10で再現するか
Microsoftの「Windows 7」は登場時から支持を集めたわけではなかった。「Windows XP」からの移行が、必ずしも容易ではなかったからだ。「Windows 10」の登場は、当時の苦痛を再現することになるのか。
調査会社Gartnerの調査担当副社長、スティーブン・クレイハンズ氏によると、Microsoftの「Windows 7」は、ユーザー企業の間で好感が持てるクライアントOSとして記憶されている。ただし「Windows XP」からの切り替えは順調とは程遠かった。
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苦痛を伴った「Windows XP」から「Windows 7」への移行
Windows XPからWindows 7への切り替えについて忘れられがちなのは「実際のところ、非常に苦痛だったということだ」とクレイハンズ氏は指摘する。「Windows 7の最初の頃は、ある意味で波乱が多かったという事実を、多くの人は大目に見ている」(同氏)
移行に伴う最大の問題は「互換性だった」とクレイハンズ氏は回想する。当時、Windows XPで使われていた大半のアプリケーションはWindows XPで開発されていた。セキュリティが強化されたWindows 7に導入すると、かなりの数のアプリケーションが機能しなくなった。
ITコンサルティング企業TNTMAXのダニエル・ビート氏は、Windows XPからの移行に伴う不平不満について振り返る。「最初の頃は『Windows 10』と同じように、誰もがWindows 7に文句を言っていた。成熟するにつれ、企業に頼られる存在になった」
Windows 7の後に残されたWindows 10は、専門家によれば、現代のニーズにもっとうまく対処できる位置付けにある。「Windows 7は時代遅れになった。素晴らしいレガシーシステムだが、われわれが2020年代に望むものではなかった」とクレイハンズ氏は言う。
「Windows 7」から「Windows 10」へ
調査会社Enterprise Strategy Groupの上級アナリスト、マーク・ボウカー氏によると、企業は変更に伴う複雑性を考えてOSのアップグレードをためらう可能性がある。ただしWindows 10の機能を考えると、切り替えはIT管理者にとって魅力が大きいという。
Windows 10は特にオフィススイート「Office 365」と組み合わせることで、さまざまな分析情報をIT部門にもたらす。そのデータを利用すれば、企業がどの程度効率的に機能しているかを判断しやすくなる。「Windows 10はPCのセキュリティ対策やユーザー認証の方法に目を開かせてくれる。そうしたことが魅力となってWindows 10への切り替えを促進させる」(ボウカー氏)
2020年1月に修正されたWindows 7の深刻な脆弱(ぜいじゃく)性に関するニュースは「定期的なサポートの重要性を物語る」と、調査会社VDC Research Groupのアナリスト、エリック・クライン氏は指摘する。「Windows 7は企業にとって極めて大きな価値があり、非常に安全で確実なOSだという事実があったとしても、ユーザー企業は安心してはいられない」(同氏)
Windows 7を使い続けたいと考える企業もあるだろう。だがWindows 7の脆弱性を認識している大規模なハッカーのコミュニティーは当然ながら、Microsoftがサポートを打ち切ったことも認識しているとクライン氏は語る。
ビート氏の顧客の一部はまだWindows 7を使い続けているものの、ほとんどはWindows 10に切り替えたという。「MicrosoftはWindows XPを教訓として、Windows 7からWindows 10への確実なアップグレードの道を提供した」と同氏は指摘する。
Windowsの未来
クライン氏は、次のバージョンのWindowsに関するニュースが間もなく出てくると予想する。ローカルのPCには最小限のデータしか残さない方向へと向かうトレンドが、その設計に影響するかどうかを知りたいと同氏は言う。
「OSベンダーの中ではMicrosoftが最も興味深い」とクライン氏は語る。「GoogleやAppleと比べてリスクを取ることや、イノベーションに対して前向きな姿勢」(同氏)が、その理由だ。「Microsoftは元MicrosoftのCEOであるスティーブ・バルマー時代から、明らかにページをめくった」と同氏は話す。
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