クラウドサービスのアカウント乗っ取りを防ぐ【後編】
クラウドサービスの「アカウント乗っ取り」から身を守る3大対策とは?
クラウドサービスのアカウントが乗っ取られた場合、甚大な被害が生じる恐れがある。それを食い止めるための対策とは何か。3つの対策を紹介する。
クラウドサービスのアカウントの乗っ取りは危険性が極めて高い。クラウドセキュリティ推進団体Cloud Security Alliance(CSA)がまとめた年次レポート「Top Threats to Cloud Computing: The Egregious Eleven」2019年版で、クラウドサービスの脅威ランキングの中でアカウント乗っ取りは5位にランクインしている。
セキュリティ責任者は、どのような対策を施せばアカウントの乗っ取りを防げるのかを見極めなければいけない。この問題はID・アクセス管理(IAM)に関するセキュリティ問題として広く認知されており、セキュリティ担当者はすでにアプリケーションが利用するIDやパスワードといった認証情報の守りを固めている。この対策をクラウドサービスについても導入し、アカウントを保護する必要がある。
クラウドサービスのアカウント乗っ取りへの主な対策は、次の3つだ。
- 多要素認証(MFA)を利用する
- 職務を分離する
- 信頼しながらも確認する
1.MFAを利用する
複数のクラウドベンダーが、クラウドサービスの管理画面にアクセスするためにMFAを利用できるようにしている。本番環境の管理画面へのアクセスには、MFAを必須とした方がよいだろう。
クラウドサービスに自動でアクセスする際に必要な認証情報も考慮しなければならない。具体的にはAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)がクライアントの認証に利用する「TLS相互認証」、認証トークン、APIキーなどの導入を検討する。管理画面経由とプログラム経由の両方でクラウドサービスにログインされる可能性があることを念頭に置き、それぞれのアクセス手段について適切な対策を講じることが重要だ。
2.職務を分離する
会計部門は一般的に、クラウドサービスの管理画面における決済や課金情報を扱う機能へのアクセスを必要とする。だが会計部門がストレージ容量を増やしたり、新規のインスタンス(仮想サーバ)を立ち上げたり、PaaS(Platform as a Service)で稼働しているシステムに変更を加えたりする必要があるだろうか。恐らくその必要はない。同様にIaaS(Infrastructure as a Service)内のコンポーネント管理担当者が詳しい課金情報にアクセスする必要はない。管理画面に対するエンドユーザーの不必要なアクセスは無効にする必要がある。
3.信用しながらも確認する
社内システムと同様に、クラウドサービスも各アカウントの権限が適切かどうかを定期的に検証するとよい。そのためには、従業員が離職したり職務が変わったりした際、それに従って権限を変更するための手順を確立する。認証情報の使用に関する監査を実施して、その認証情報が適切に使われているかどうかを確認することも必要だ。
システム管理者権限を持つアカウント「特権」の管理機能を持つ「特権ID管理」(PIM)のように、アカウント管理に役立つツールが利用可能かどうかを検討する。PIMは認証情報の使用を継続的に記録できる。他にもクラウドサービスとの通信を監視、制御する「CASB」(クラウドアクセスセキュリティブローカー)は、クラウドサービスの管理画面へのアクセスに関するログを記録できる。
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