ビジネスメール詐欺(BEC)の攻撃パターンの中に、サプライチェーンを狙うものがある。トヨタ紡織が被害を受けたBECがまさにそれだ。攻撃者はトヨタ紡織にどのようなBECを仕掛けたのか。他の企業が得られる教訓は。
ビジネスメール詐欺(BEC)には歴史がある。当初の手口は、攻撃者が疎遠になっていた親族や“ナイジェリアのプリンセス”を装って「早急に送金してほしい」と要求するものだった。後になって振り返ると、そうした詐欺は原始的に思える。技術やサイバー攻撃が進化したにもかかわらず、攻撃者がBECに使う手段はほとんど変わっていない。BECが、技術の進化では解決できない人の心理という弱点を突く「ソーシャルエンジニアリング」を悪用するためだ。
現代のBECは、特定の標的を狙う詐欺「スピアフィッシング」などの手段で盗んだ認証情報を利用してメールアカウントに不正ログインし、標的の企業の機密データを盗み取れる状態を確立する。次に人の心理を操って従業員をだまし、信頼できる相手を装って攻撃者に機密データや現金を送らせる。
先入観を突くBECを食い止めることは特に難しい。正規のメールと詐欺メールを見分けるだけでも十分困難だが、それはBECのリスクを低減する対策の一つでしかない。BECの金銭的被害は深刻化する恐れがあり、攻撃者は効率の良さを理由にBECを盛んに仕掛けている。本連載が紹介する5つのBEC事例を通じ、よくある手口を理解して攻撃を見抜く備えをしよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
今や誰もが入手可能となったフィッシングツール。そこにAIの悪用が加わり、フィッシング攻撃はますます巧妙化している。本資料では、20億件以上のフィッシングトランザクションから、フィッシング攻撃の動向や防御方法を解説する。
セキュリティ対策チームの57%が人材不足の影響を受けているといわれる昨今、インシデントや脆弱性への対応の遅れが、多くの企業で問題視されている。その対策として有効なのが「自動化」だが、どのように採り入れればよいのだろうか。
年々増加する標的型攻撃メール。この対策として標的型攻撃メール訓練を実施している企業は多い。こうした訓練では一般に開封率で効果を測るが、実は開封率だけでは訓練の効果を十分に評価できない。評価となるポイントは報告率だ。
従業員の情報セキュリティ教育は、サイバー攻撃や人的ミスによる情報漏えいから自社を守るためにも必要不可欠な取り組みだ。新入社員の教育を想定し、伝えるべき内容や伝える際のポイントを解説する。
2024年の情報漏えい事故の傾向では、攻撃者による大規模攻撃の他、社員や業務委託先のミス・内部犯行によるケースも多く見られた。インシデント別の要因と対策とともに、今後特に重要になるセキュリティ意識向上のポイントを解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。