プライベートクラウド構築に携わるIT管理者を支援すべく、ベンダー各社は自社製品に関する知識や技術の獲得に役立つ認定資格や教材を用意している。AWS、Google、Dell EMCの認定資格や教材を紹介しよう。
リソース専有型のクラウドインフラである「プライベートクラウド」は、リソースを複数のユーザー組織で共有する「パブリッククラウド」と比べ、組織が実施する必要があるセキュリティ対策やコーディング、ネットワーク設定などの作業が多くなりがちだ。そのためIT管理者は、こうした作業に関する知識やスキルを向上させる必要がある。
IT担当者がプライベートクラウド関連の知識やスキルを向上させる上で、ベンダー各社が用意している認定資格や教材が役立つ。前編「『プライベートクラウド』のスキルが育つHPEとMicrosoftの認定資格・教材とは?」に続く本稿は、Amazon Web Services(AWS)とGoogle、Dell EMCが提供する、プライベートクラウドの構築に役立つ認定資格や教材を説明する。
プライベートクラウドの構築に、AWSの同名クラウドサービス群を利用している組織のIT管理者は、AWSが提供する教材やトレーニング課程を学習に役立てることができる。これらを使った学習の仕上げが、認定資格の試験だ。
AWSの認定資格はレベル別に「Foundational」(基礎コース)と「Associate」(アソシエイト)、「Professional」(プロフェッショナル)の3段階がある。プライベートクラウドの設計や導入、運用、トラブルシューティングの技術を習得できるプロフェッショナル向けの「Specialty」(専門知識)という認定資格もある。同社は認定資格を取得しようとするIT管理者に対し、その分野である程度の実地経験を積んでからの受講を奨励している。
Googleはクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)に関する、「Associate」(アソシエイト)と「Professional」(プロフェッショナル)の2段階の認定資格を提供している。アソシエイト認定資格の「Associate Cloud Engineer」は、GCPの初歩的なセキュリティ設定と利用計画の策定、導入、運用の知識を網羅しており、これらの作業をGCPの管理コンソール「Cloud Console」で実行できるかどうかを証明する認定資格だ。
プロフェッショナル認定資格は「Professional Cloud Architect」「Professional Cloud Developer」「Professional Cloud Security Engineer」「Professional Cloud Network Engineer」などの分野ごとにある。Googleはこれらの認定資格を取得するための模擬試験や試験ガイドも提供する。プロフェッショナル資格を取得するには、業界で3年以上の経験と、GCPを1年以上使った経験があることが望ましい。
この他Googleはプライベートクラウドのスキルを磨くために利用できる教材を提供したり、学習イベントの「Cloud OnBoard」を定期的に開催したりしている。
Dell EMCは同社製品を利用してプライベートクラウドを構築するIT管理者向けに、レベル別に「Associate」(アソシエイト)、「Specialist」(スペシャリスト)、「Expert」(エキスパート)などの段階に分けて認定資格を提供している。IT管理者がどの認定資格を選ぶかは、組織内での役割や、データセンター技術の知識量による。
例えばスペシャリスト認定資格の「DCS-CA: Cloud Architect, Cloud Infrastructure」(DCS-CA:クラウドアーキテクト、クラウドインフラストラクチャ)は、トレーニング課程と試験で構成される。プライベートクラウド設計においてサーバやストレージを選ぶときのメリットや課題、考慮事項などを網羅している。IT管理者はこの認定資格の取得により、適切な要件でプライベートクラウドを設計する技術があることを証明できる。アソシエイト認定資格の「DCA: Networking v1」(DCA:ネットワーキング v1)は、Dell EMCのネットワーク製品のインストールや構成、保守、トラブルシューティングに関連する基本技術の習得を示す認定資格だ。
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