ニュージーランドは「学校向けマネージドネットワーク」で多忙な教員を救う教育機関におけるネットワークの運用管理【前編】

ニュージーランドの教育機関は、ITインフラを運用管理するマネージドネットワークサービスを活用している。マネージドネットワークサービスは教育現場でどう機能し、どのような効果をもたらしたのか。

2022年01月19日 05時00分 公開
[Aaron TanTechTarget]

関連キーワード

教育IT | セキュリティ | 無線LAN


 ニュージーランド教育省は2013年、同国の教育機関向けに、国営インターネットサービスプロバイダーNetwork for Learning(N4L)のマネージドネットワークサービス(ネットワークの運用管理を外部委託できるサービス)を導入した。同省が主導する教育機関向けのネットワークおよびサイバーセキュリティの運用支援プログラム「Te Mana Tūhono」の一環だ。2022年1月時点で同国の全ての公立学校が、マネージドネットワークサービスの管理下にあるネットワーク(以下、マネージドネットワーク)に接続している。マネージドネットワークの1日の利用者は、学生と教員を合わせて82万5000人以上。利用者はマネージドネットワークを経由して、月に520万GB以上のデータをやりとりしている。

多忙な教職員の負担を軽減する「マネージドネットワークサービス」の中身

 N4Lのマネージドネットワークサービスは、教育機関が学習者のデバイスにデジタル教材を安定してストリーミング配信できるように、ネットワークを制御する。このマネージドネットワークサービスは、通信インフラ製品ベンダーCommScopeの「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)準拠の無線LAN製品をベースにしている。

 ニュージーランドの公立学校が使うマネージドネットワークは、N4Lがリモートで監視、運用できる。例えばマネージドネットワークに発生した問題を迅速に突き止めて解決したり、トラブルシューティングをリモートで実施したりすることが可能だ。マネージドネットワークサービスは教育機関のITインフラの維持にかかる負担や課題を軽減。多忙な教職員は教育に専念する時間を確保しやすくなった。

 CommScopeアジア太平洋地域のRuckus Networks担当バイスプレジデント、サンジブ・バルマ氏は「N4Lのマネージドネットワークサービスは、CommScopeの無線LAN技術に支えられた強固なインフラで成り立っている」と話す。教員と学習者は、教育に不可欠な双方向型のオンラインアプリケーションに「途切れることなく、確実かつ高速にアクセスできる」(バルマ氏)という。

 バルマ氏によるとN4Lのマネージドネットワークサービスは、オンライン教育の体験価値を高めるためにも役立つ。「Google Workspace」「Microsoft 365」といったオンラインオフィススイートを快適に利用したり、動画を安定してストリーミング配信したりするための、十分なデータ伝送速度を確保しやすくする。


 後編も引き続き、N4Lのマネージドネットワークサービスの詳細を紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news084.jpg

生成AIが生み出す「バーチャル生活者」の声を聴くメリットとは?
博報堂は、独自の大規模生活者調査データベースに生成AI技術を組み合わせて作り出した「...

news038.jpg

生活者の生成AI利用動向 10代後半はすでに5割近くが経験――リクルート調査
テキスト型生成AIサービスの利用経験者の割合は若い年代ほど高く、特に10代後半はすでに5...