ニュージーランドの教育機関は、ITインフラを運用管理するマネージドネットワークサービスを活用している。マネージドネットワークサービスは教育現場でどう機能し、どのような効果をもたらしたのか。
ニュージーランド教育省は2013年、同国の教育機関向けに、国営インターネットサービスプロバイダーNetwork for Learning(N4L)のマネージドネットワークサービス(ネットワークの運用管理を外部委託できるサービス)を導入した。同省が主導する教育機関向けのネットワークおよびサイバーセキュリティの運用支援プログラム「Te Mana Tūhono」の一環だ。2022年1月時点で同国の全ての公立学校が、マネージドネットワークサービスの管理下にあるネットワーク(以下、マネージドネットワーク)に接続している。マネージドネットワークの1日の利用者は、学生と教員を合わせて82万5000人以上。利用者はマネージドネットワークを経由して、月に520万GB以上のデータをやりとりしている。
N4Lのマネージドネットワークサービスは、教育機関が学習者のデバイスにデジタル教材を安定してストリーミング配信できるように、ネットワークを制御する。このマネージドネットワークサービスは、通信インフラ製品ベンダーCommScopeの「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)準拠の無線LAN製品をベースにしている。
ニュージーランドの公立学校が使うマネージドネットワークは、N4Lがリモートで監視、運用できる。例えばマネージドネットワークに発生した問題を迅速に突き止めて解決したり、トラブルシューティングをリモートで実施したりすることが可能だ。マネージドネットワークサービスは教育機関のITインフラの維持にかかる負担や課題を軽減。多忙な教職員は教育に専念する時間を確保しやすくなった。
CommScopeアジア太平洋地域のRuckus Networks担当バイスプレジデント、サンジブ・バルマ氏は「N4Lのマネージドネットワークサービスは、CommScopeの無線LAN技術に支えられた強固なインフラで成り立っている」と話す。教員と学習者は、教育に不可欠な双方向型のオンラインアプリケーションに「途切れることなく、確実かつ高速にアクセスできる」(バルマ氏)という。
バルマ氏によるとN4Lのマネージドネットワークサービスは、オンライン教育の体験価値を高めるためにも役立つ。「Google Workspace」「Microsoft 365」といったオンラインオフィススイートを快適に利用したり、動画を安定してストリーミング配信したりするための、十分なデータ伝送速度を確保しやすくする。
後編も引き続き、N4Lのマネージドネットワークサービスの詳細を紹介する。
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