プリンタへのサイバー攻撃が勢いづいている。その背景には何があるのか。企業はプリンタのセキュリティをどう確保すればよいのか。専門家に聞く。
2021年はプリンタに関する幾つかの脆弱(ぜいじゃく)性が表面化した。プリンタも他のエンドポイントと同じようにセキュリティ対策を実施する必要がある。
調査会社Alumen Consulting(Quocircaの名称で事業展開)でリサーチディレクターを務めるルエラ・フェルナンデス氏によると、上位機種だけでなく基本機種のプリンタも高度な機能を搭載するようになったことが、攻撃者によるプリンタ悪用の危険性を招いている。
高度な機能を実現するために、プリンタはLAN内の他のデバイスにアクセスできる仕組みを持つようになった。そうした仕組みを悪用して「サイバー攻撃者がプリンタを狙う可能性が高まっている」とフェルナンデス氏は警告する。
フェルナンデス氏は企業に対して、「従業員の自宅にある業務用デバイスや文書の処分に関する、可視化と管理が不十分だ」と指摘する。企業が講じるべきプリンタセキュリティ対策として、同氏は以下を挙げる。
プリンタベンダーは、ユーザー企業がプリンタやネットワークといった印刷インフラを保護し、データ漏えいリスクを低減できるよう支援している。一方で今回の調査によると、ユーザー企業は現状、プリンタベンダーがプリンタにセキュリティ面で付加価値を提供できることを認識していない。
「企業は心配ごとがあったら、マネージドセキュリティサービスベンダーに相談する傾向が非常に強い」とフェルナンデス氏は説明する。ユーザー企業はプリンタベンダーの協力を得ることで、プリンタのセキュリティを強化できると同氏は主張する。
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