Mastercardが、Payfaceの技術を利用した生体認証プログラムを立ち上げた。この生体認証のキーになるのは「笑顔」だ。
Mastercardが、笑顔を見せれば支払いが完了する生体認証決済のプログラムを立ち上げた。同社のBiometric Checkout Program(生体認証チェックアウトプログラム)は、生体認証決済サービスを開発している銀行、加盟店、技術プロバイダーにセキュリティとプライバシーの標準を提供するフレームワークだ。
Mastercardのアジェイ・バーラ氏(サイバーおよびインテリジェンス担当プレジデント)は言う。「当社は最高レベルのセキュリティを備えた決済方法を消費者に提供する。この新しいプログラムは、消費者や加盟店にとってショッピングを素晴らしい体験にし、セキュリティと利便性を最大限に高めることが目標だ」
HSBCによると、2021年に音声で顧客を認証する生体認証システムを導入したところ、テレフォンバンキングの詐欺が50%減少したという。コロナ禍でテレフォンバンキングの需要が高まり、同銀行の「Voice ID」の登録者は約280万人に上る。これによって2021年は2億4900万ポンド(約406億2400万円)が犯罪者の手に渡るのを防いだと推測される。
Mastercardは、生体認証技術企業PayfaceおよびスーパーマーケットチェーンSt. Marcheと共同で、最初の実証実験をブラジルで実施する。Payfaceの技術はサンパウロにあるSt. Marcheのスーパー5店舗で使われる予定だ。参加する消費者は自分の顔と決済情報をPayfaceのアプリで登録する。これで、カードもモバイル端末も使わず、チェックアウト時に「笑顔を見せるだけ」で支払いが完了する。
Payfaceのエラディオ・イソッポ氏(CEO)は言う。「当社は2018年からPayfaceを開発してきた。当社の使命はセキュリティを損なうことなくエクスペリエンスを改善することだ。Mastercardとのパートナーシップは歓迎すべき第一歩だ。当社の技術をより多くの加盟店や消費者が利用できるようにし、ショッピングを容易にして、笑顔で支払いを済ませる喜びをもたらす」
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