英国の大手バス会社Go-Ahead Groupは、同社の重要システムがサイバー攻撃の被害に遭ったことを公表した。どのように対処したのか。
英国のバス会社大手Go-Ahead Groupはサイバー攻撃を受け、その影響で社内の重要システムが停止したことを明らかにした。同社はフランチャイズ方式で事業を運営しており、ロンドンやブライトン、ハル、ニューカッスル、オックスフォード、プリマスなどの都市でバスを運行している。インシデント発生後の同社の取り組みには、学べる点がある。
2022年9月5日(現地時間)、Go-Ahead Groupは同社のネットワーク内で不正な活動を検出した。これにより、給与計算業務や、運行するバスの車両と運転手のシフト勤務管理などのシステムに影響が出る可能性があり、最悪の場合は交通網の混乱といった事態が発生することが想定される。
「今回のインシデントは、サイバー攻撃が現実世界に混乱をもたらす手法となり得ることを示すものだ」。そう話すのは、サイバーセキュリティのトレーニングを手掛けるEscal Institute of Advanced Technologies(SANS Instituteの名称で事業展開)で、英国およびアイルランド担当ディレクターを務めるジョン・デイビス氏だ。
デイビス氏は今回のインシデントについて、生活費の高騰や運輸業界のストライキの頻発といった不確実性や混乱が目立つ時代に発生した点について言及し、「ハッカーの狙いは標的企業の不意を突くことだ」と述べる。
Go-Ahead Groupは、今回の攻撃を受けて以下の通りに対処した。
デイビス氏はこれについて、「他の組織にとっては良いお手本になる」と評価する。
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