老朽化したシステムやそこに存在する脆弱性を取り除くことは一筋縄ではいかない。組織がレガシーシステムを利用するに当たって押さえるべきポイントを解説する。
英国会計検査院(NAO:National Audit Office)は、「Modernising ageing digital services」と題したレポートを発行した。NAOはこのレポートの中で、同国の環境・食糧・農村地域省(Defra:Department for Environment, Food and Rural Affairs)が、老朽化したレガシーシステムを維持していることに伴う問題を指摘した。NAOによれば、レガシーシステムの問題に直面する組織はDefraだけではない。レガシーシステムを運用する組織は、どのようなポイントを押さえればいいのか。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)がまん延する中で、ほとんどの政府システムが脆弱(ぜいじゃく)なまま放置されていることは重大な懸念点だ。一方セキュリティベンダーIllumioで産業ソリューション事業の責任者を務めるラグー・ナンダクマラ氏は、この状況について「驚くべきことではない」と話す。
組織が大規模であるほどさまざまなレガシーシステムを所有している傾向にある。そのようなレガシーシステムを廃止したり、レガシーシステムにパッチ(ソフトウェアの修正プログラム)を適用したりするのは容易ではない。ナンダクマラ氏は、「そうした状況でも、リスクを最小限に抑える措置を講じることが重要だ」と指摘する。そのためには最低でも、既知の脆弱性が存在するシステムとサービスへのアクセス権限を最小限にとどめる「最小特権の原則」を適用する必要があるという。
政府のサイバーセキュリティ計画においては、リスクの緩和が中心事項となる。「リスク緩和には、これまでの教訓を実践することが重要だ」とナンダクマラ氏は助言する。同氏が挙げるリスク緩和の最善策は、「優れたセキュリティ対策を実践し、多層防御を実装してサイバーレジリエンス(インシデント発生時の回復力)を強化すること」だ。
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