SNSを使った詐欺を撲滅するためには、SNS運用会社側の努力も必要だ。「YouTube」を悪用した暗号資産投資の詐欺もその例外ではない。
セキュリティベンダーWithSecureによると、動画共有サイト「YouTube」を使って不正な動画でユーザーを暗号資産(仮想通貨)投資に巻き込もうとする詐欺が発生している。この状況について、同社はYouTube側にも問題があると指摘。どういうことなのか。
WithSecureは、YouTubeのユーザーを暗号資産「USDT」(Tether)への偽投資に巻き込もうとする動画を発見した。同社のセキュリティ研究者アンディ・パテル氏はこの詐欺について、手口は単純だと指摘しつつも次のように述べる。「動画を推奨するYouTubeのアルゴリズムを悪用する方法を見つけ出したという意味では高度だ」
パテル氏は今回の詐欺を受け、「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の運用会社にとってコンテンツの監査は大きな課題だ」と指摘する。不正なコンテンツの拡散を防止し、ユーザーを詐欺から守るために「SNS運用会社がやるべきことがあるはずだ」と同氏は強調する。
SNSを利用した暗号資産詐欺は大きな問題となっている。暗号資産への投資を好む人は「cryptobros」と呼ばれることがあり、自分の成功をアピールするためにリスクを取ってお金を使う傾向がある。詐欺師にとっては格好の標的になる。米国の連邦取引委員会によると、2021年1月から2022年6月の間に約4万6000人が暗号資産詐欺の被害を受け、損害金額は合計約10億ドルだった。大半の場合、詐欺にSNSが利用されたという。
第4回は、SNSを使った暗号資産詐欺を防ぐための対策を取り上げる。
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