「ChatGPT」が理由でひどい事態に 株価を38%下落させたCEOの発言ChatGPTの「リスク」を警戒する経営者【中編】

「ジェネレーティブAI」(生成AI)をビジネスに使えば収益を拡大できる可能性がある。ただし自社のビジネスと生成AIとの関連について不用心な発言をすれば、金融市場で手痛い仕打ちを受ける可能性がある。

2023年06月16日 05時15分 公開
[Cliff SaranTechTarget]

関連キーワード

人工知能 | Gartner | データ分析


 人工知能(AI)技術を活用してテキストや画像などのコンテンツを生成する「ジェネレーティブAI」(生成AI)は、ビジネスを改善する可能性を秘めている。一方で、既存のビジネスに及ぼす影響によって、金融市場に動揺をもたらした例も出ている。

 学生向けの教育サービスを提供するCheggは、2023年5月1日に株価が一時38%下落した。同社の2023年第1四半期の業績発表における、CEOダン・ローゼンズバイク氏の発言がきっかけだった。なぜそのような事態に陥ったのか。

CEOは「生成AIと事業展望」をどう語ったか

 ローゼンズバイク氏が述べたのは、OpenAIが開発したAIチャットbot「ChatGPT」についてだ。「ChatGPTへの学生の関心は2023年3月から強くなるとみている。このことから、当社の教育サービスにおける学生の新規登録率がChatGPTの影響を受けるのではないかと考えるようになった」。同氏はそう説明した。

 この発言はChatGPTの登場によって、Cheggの教育サービスの新規ユーザー数が減少するリスクがあるという印象を与えた。同社はオンラインの宿題サポートなどのサービスを提供している。その役割は、生成AIを利用するChatGPTなどのサービスが代替できる可能性がある。

 ローゼンズバイク氏の発言をきっかけにして同社の株価は急落し、それが英国の教育テクノロジー企業Pearsonの株価にも飛び火した。英国の経済紙『Financial Times』は、生成AIが既存のビジネスにもたらす脅威について企業トップがオープンに語った例として、ローゼンズバイク氏の告白を取り上げた。


 後編は、ChatGPTがビジネスにおいて生み出し始めた価値や、長期的に生み出す価値についての展望を解説する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news074.jpg

ニップンと刀が協業 マーケティングノウハウで成熟市場を拡大へ
ニップンと刀は「ニップン × 刀 協業発表会」を開催し、協業を通じた両社の取り組みとそ...

news197.png

広告運用自動化ツール「Shirofune」がMicrosoft広告の改善機能を実装
Shirofuneは広告運用自動化ツール「Shirofune」に改善カード機能を追加。これにより、キ...

news192.jpg

インテージ、「YouTube Select」「YouTube Shorts」における態度変容調査を提供開始
広告効果測定サービス「Brand Impact Scope」をバージョンアップし、サンプルサイズと計...