「生成AI」ツールが教育に及ぼす影響で無視できないのが、宿題などの家庭学習への影響だ。教員の目が届きにくい家庭学習で、学習者が生成AIツールを適切に活用できるようにするには、何が必要なのか。
一般家庭の間で「ジェネレーティブAI」(生成AI:テキストや画像などを自動生成する人工知能技術)ツールの利用が広がっている。こうした状況を踏まえて英国教育省(DfE:Department for Education)は、教員の目が届きにくい、宿題などの家庭学習に対する生成AIツールの影響に目を向け始めた。家庭学習における従来の方針を見直すように、同省は教育機関に促している。具体的には、どのような見直しを求めているのか。
英国教育省が家庭学習に目を向ける背景には、生成AIツールを使った不正行為の懸念がある。生成AIベンダーOpenAIの「ChatGPT」などの生成AIツールを活用して自動生成した成果物を、学習者が「自身が作成した」と偽って教育機関に提出する可能性がある、といった懸念だ。
生成AIツールの利用が適切だと見なされる状況でも、教員や学習者は生成AIツールが作り出した成果物が、適切で正確なものかどうかを判断する知識・スキルを身に付ける必要がある。教員には、学習者が生成AIツールを使って有害なコンテンツや不適切なコンテンツを生成したり、こうしたコンテンツにアクセスしたりしないように指導することが欠かせない。
教育機関は学習者に、生成AIツールに関する以下のリスクを伝える必要がある。それによって、生成AIツールの安全かつ適切な使い方を含めた、IT利用に関する既存の指導を強化できる。
次回は教育機関の生成AIツール活用を支援する、英国教育省の取り組みを紹介する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
サイバー攻撃の脅威から自社を守るには、従業員のセキュリティ教育を効率的・効果的に行い、一人一人の意識を向上させることが重要だ。その実践を“自動化”でサポートするサービスを取り上げ、機能や特徴を紹介する。
技術系キャリアを検討する女子生徒は増加傾向にあるものの、全体的に見た割合は十分ではない。IT分野が女子生徒から敬遠されてしまう理由とは。
オンライン教育の導入により、教育機関はさまざまな場所に存在する学習者の主体的な学習を促し、評価する必要に迫られた。その有力な手段となり得るデータ分析の取り組みを事例と共に紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機にオンライン教育が普及した。これに伴い、教育活動で収集するデータの分析や活用に教育機関が頭を悩ませている実態が浮き彫りになった。
学生や教職員など多様な立場の人が関わる大学で、誰もが満足するIT製品・サービスを導入するのは至難の業だ。テネシー大学の事例から5つのこつを紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。