リアルタイム位置情報システムの基盤技術と応用分野在庫管理やナビゲーションなど用途は多様

数年前から出回っているRTLSはさまざまな用途に使われている。そこで使われている技術もまたさまざまだ。RTLS技術の基礎を解説し、幾つかの主要な用途を紹介する。

2008年10月27日 07時30分 公開
[Paul DeBeasi,TechTarget]

 リアルタイム位置情報システム(RTLS)は数年前から出回っている。小売業者は在庫の追跡にこれらのシステムを利用し、運送業者は車両の追跡で利用している。この2つの用途は同じように思えるが、そこで使われているRTLS技術は大きく異なる。本稿では、リアルタイム位置情報技術の基礎を解説し、幾つかの主要な用途を紹介する。

RTLSを実現する技術

 RTLSは、対象物の「ポジション」と「ロケーション」を検出する。ポジションは、測地系を用いた地球上の位置(例えば「北緯32° 49' 49.7964'、東経116° 49' 9.9228"」など)を表す。ロケーションは、実際の世界における特定の場所(例えば「ボストンのノースエンド地区」など)を指す。RTLSは以下に示すように、さまざまな技術を利用してポジションとロケーションを特定する。

RFID

 RFID(無線ICタグ)システムは、電子リーダーとそれに応答する安価な電子タグで構成される。大抵のRFIDシステムの主要な目的は、RFIDタグが付けられた品物を特定することだ(例えば在庫管理など)。タグ付きの品物の移動過程を追跡(例えば生産ラインなど)したり、小売店の棚から動かされる際に追跡されることもある。ほとんどのRFIDリーダー/タグは非常に近距離でのみ動作し、その位置を把握できるのは、数インチあるいはせいぜい数フィートの範囲内だ(※編注)。

※ アクティブタグの場合、100メートル以上離れていても動作するものもある。通信距離は使用する電波の周波数帯と強度に依存する。

無線LAN

 1台ないし2台のロケーションサーバを備えた無線LANは、工場内などで無線LAN対応デバイスの位置を特定することができる。無線LANと通信するデバイスであれば、無線LANシステムを利用してリアルタイムでその位置を検出できる。このような無線LANベースの位置検出機能は拡張され、Enhanced 911(日本の110番に当たる緊急通報ダイヤル)サービス用の無線LAN電話などのようにネットワーク上の個々のユーザーの場所を特定することも可能になっている。

携帯電話

関連ホワイトペーパー

RFID | 無線LAN | 携帯電話 | プライバシー | ICタグ


ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...