プライベートクラウドについて解説したホワイトペーパーを3つピックアップ。プライベートクラウドが適した業務用途や導入ステップ、構築のポイント、運用管理ソフトウェアの役割が理解できる。
本稿では、TechTargetジャパンのホワイトペーパーダウンロードセンターに登録されているホワイトペーパーの中から「プライベートクラウドの用途や導入ステップ、構築のポイント」を知るために参考となる3つのホワイトペーパーを紹介する。
IBMは2009年7月、世界の企業のIT部門と業務部門の意思決定者1090人を対象に、クラウドコンピューティングに関する意識調査を実施した。このホワイトペーパーには、パブリック/プライベート/ハイブリッドクラウドの定義、各クラウドの企業での導入率や導入における障壁、適した業務用途に関し、調査結果とIBMの見解がまとめられている。
回答者の73%は、パブリック、プライベート、ハイブリッドクラウドの提供モデルを「よく知っている」人たちだという。クラウドへの理解が深い回答者が多い中、回答者の64%がプライベートクラウドを「魅力的」だと評価している。企業での注目度が高いプライベートクラウドだが、導入済みの企業は25%程度にとどまっている。
このホワイトペーパーを読めば、プライベートクラウドが適した業務用途、企業のIT部門が社内の各業務部門に対しプライベートクラウドサービスを提供する上で必要となる機能、プライベートクラウド導入のための6つのステップを知ることができる。特に、適正なステップを踏んで導入することが重要だと書かれている。プライベートクラウドを実現するに当たり、戦略的に導入を進めることは、「ほとんどの回答者が外部に支援を要請する」ほど困難な作業だという。
「クラウドは買うのではなく、作るもの! 『エンタープライズクラウド』によるITの変革」
企業が社内リソースを効率的に共有できるようプール化する目的で導入するプライベートクラウド。このホワイトペーパーによると、プライベートクラウド導入の成功は「クラウド管理ソフトウェア」にかかっているそうだ。
ハードウェアを抽象化する仮想化技術やリソースを拡張するプロビジョニング技術は、クラウドを実現するために重要な要素である。だが、これらだけではクラウドは成立しない。仮想マシンを自動で作成したり、物理および仮想リソースを自動的に分配するなどの管理機能がクラウドの魅力を引き出す。
このホワイトペーパーは、プライベートクラウドの管理ソフトウェアには6つの重要な要件があると指摘している。例えば、外部プロバイダーや企業内にある既存のシステムを束ねて共有プールに取り込む異種混在システムのサポートや、セキュリティやデータ管理といったさまざまな管理ツールとの統合などが挙げられている。
プライベートクラウドは、社内外のさまざまなシステムを統合して構築される。クラウド管理ソフトウェアは、企業システムの“接着剤”として重要な働きを担っていることになる。
パブリッククラウドには、変化するユーザーの負荷に応じて迅速にリソースを増減できる、設備投資コスト(CAPEX)を削減できるといったメリットがある一方で、異種クラウド間の相互運用性、既存アプリケーションとの互換性、セキュリティではいまだ課題が多いといわれている。それらの点においてプライベートクラウドは、ベンダーにもよるが、多種ある選択肢の中からサービスプロバイダーやアプリケーションを組み合わせてシステム環境を構築できる他、占有環境を確保することでセキュリティを向上できるといったメリットがある。
このホワイトペーパーでは、ヴイエムウェアのプライベートクラウドソリューション「VMware vCloud」の紹介と共に、プライベートクラウドを構築するための8つのポイントを挙げている。
プライベートクラウドは、社内のITリソースを柔軟に提供し、システム運用を効率化したい大企業、インフラを専有環境で安全にアウトソーシングしたい中堅・中小企業にとって検討に値するソリューションだろう。
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