IBM、パブリッククラウド進出でAmazonに対抗ついに定まった!? IBMのクラウド戦略

IBMがパブリッククラウド分野で独占的な存在になるのかどうかはまだ分からない。しかしそのために必要な全てを同社は持っている。

2011年05月19日 09時00分 公開
[Ed Scannell, Carl Brooks,TechTarget]

 米IBMがエンタープライズ向けに、サービスとしてのパブリッククラウドインフラ提供に乗り出した。

 同社は大きな宣伝もなく、Smart Business Cloud(SBC)製品のラインアップに「Smart Business Cloud - Enterprise」を追加した。SBC - Enterpriseは従量制のセルフサービス式オンラインプラットフォーム(IBMの登録顧客向け)で、仮想マシン(VM)をさまざまなフォーマットで運用できる他、IBMの各種サービスを利用できる。

 SBC - Enterpriseは、純粋なサービスとしてのインフラ(IaaS)製品だった「Smart Business Development and Test Cloud」から大きな一歩を踏み出すものとなる。ユーザーはRed Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterprise Server、Microsoft Windows Serverを運用してストックVMのプロビジョニングを行うことも、IBMが部分管理してユーザーが利用する形式の設定済みソフトウェアアプライアンスの中から選択することもできる。選択できる製品はIndustry Application Platform、IBM DB2、Informix、Lotus Domino Enterprise Server、Rational Asset Manager、Tivoli Monitoring、WebSphere Application Server、Cognos Business Intelligence(Cognos Business Intelligence関連記事:「「Cognos 10」に見た、ビジネスアナリティクス(BA)を成長戦略に掲げるIBMの本気度」)など多数ある。

 SBC - Enterpriseで提供している画像とアプリケーションは、現時点で全て米AmazonのElastic Compute Cloud(EC2)環境で運用されている。これはIBMがたどってきたクラウドコンピューティング開発行程の裏事情を物語るものかもしれない。IBMが発表したクラウドアプリケーション全てがIBMのコンピュータ環境で運営されているわけではない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news070.jpg

CMOはなぜ短命? なぜ軽視される? いま向き合うべき3つの厳しい現実
プロダクト分析ツールを提供するAmplitudeのCMOが、2025年のマーケティングリーダーに課...

news214.jpg

トラフィック1300%増、生成AIがEコマースを変える
アドビは、2024年のホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを公開した。

news129.jpg

「ドメインリスト貸し」は何がマズい? サイトの評判の不正使用について解説
「サイトの評判の不正使用」について理解し、正しい対策が取れるにしましょう。