2014年12月25日 12時00分 UPDATE
特集/連載

2014年 記事ランキング(医療IT編)記事で振り返る2014年の医療IT、米Apple参入で気になるモバイルヘルス市場の今後

米Appleのモバイルヘルス市場への参入、厚生労働省が掲げた2025年の医療・介護イメージなど。2014年に公開した医療IT関連の記事の中でも、特に多く読まれた記事を紹介します。

[翁長 潤,TechTargetジャパン]

スマートデバイス関連の記事が上位に

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 すっかり身近な存在となったスマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末などのスマートデバイス。その携帯性や利便性から、患者の健康管理や医療業務の効率化などさまざまな用途で利用が進んでいます。そうした背景を受けて、2014年はスマートデバイス関連の記事が多く読まれました。

 最も多く読まれた記事「健康管理にも革新を、Apple『HealthKit』のまだ知られていない衝撃」は、「iOS 8」から実装された健康データ管理フレームワークであるHealthKitに関する記事です。睡眠や歩数、運動など他のヘルスケアアプリで収集したデータを「ヘルスケア」アプリに集約して表示することができます。AppleはHealthKitの発表を皮切りに、モバイルヘルス市場への参入を進めています。より多くの人たちの健康情報を医療提供者に届けることを目的とした協業にも着手。電子健康記録(EHR)分野で大手の米Epic Systemsと提携を結んだことに加えて、10月には米IBMとの協業を発表しました(関連記事:次はモバイル医療だ、AppleとIBMの“野望”は大化けするか?)。専門家の意見は分かれていますが、Appleのこうした取り組みによってモバイルヘルス市場に大きな動きが見られることは間違いないでしょう。

 3位の「スマートウオッチが命を守る 医療業界が注目する心拍数計測の可能性」は、心拍数の計測機能を搭載した腕時計やスマートフォンに着目。運動中や睡眠時など常に心拍数を計測する行為が、個人の健康に関する有益な情報を提供する一般的なユースケースを紹介しています。4位の「あのCMと同じ? 医療業界で「Surface」が選ばれている理由とは」では、タブレット市場のシェアがまだそれほど高くないといわれる「Surface」が、実は医療現場ではiPadやAndroid端末よりも人気を集めていると伝えています。その理由とは?

 8位の「日本の医療IT開発が向かうべきは“タブレットネイティブ”」は、2014年2月に福島県で開催された「Health 2.0 Fukushima Chapter 2014」のイベントリポート。同イベントの講演者3人のトークセッションの内容を紹介しています。医療現場で求められるセキュリティ確保とモバイルデバイスの有効活用、誰でも使える医療機器・アプリの条件などを議論しています。また、9位には同日開催されたハッカソン競技「Medical × Security Hackathon」の模様を伝えた「医療を変えるITのブレークスルーに期待――医療ハッカソンを見てきた」もランクインしました。

診療報酬改定の影響は?

 2014年は2年に一度の診療報酬改定が行われた年。今回の改定では、団塊世代が75歳上となる2025年に向けた医療提供体制の再構築、地域包括ケアシステムの構築を見据えた改定内容が目玉の1つとなりました。

 2位の「医療・介護の未来予想図 2025年の医療ITは?」は、厚生労働省が2014年3月に公開した資料「健康・医療・介護分野におけるICT化の推進について」の概要を紹介した記事。この資料では、医療情報連携ネットワークとデータ活用基盤を柱とする2025年の将来イメージを掲載しています。厚生労働省が同資料で掲げた将来像のイメージに映るのは、医療・介護サービスの質の向上と持続可能な社会保障制度の確保を目指したICT活用です。

 具体的な方策としては「医療情報連携ネットワークの普及促進による医療の質の向上と効率化の実現」「医療分野のさまざまな側面におけるデータ分析と利活用の高度化の推進」の2つに大別されます。同資料では「ICTは政策推進のための大きな可能性を持つツール」と定義。今後の医療政策の重要な基盤をICTが担うことになることを示唆しています。

 診療報酬関連では、7位に「診療報酬改定から見えてきた、診療所IT化の方向性」がランクイン。消費税の引き上げを考慮すると“実質マイナス改定”となった今回の改定が、診療所のIT化に与える影響を診療所のIT化に長年携わってきた大西大輔氏(メディキャスト)が考察しています。

新しい医療ITの在り方とは?

 新しい医療ITの在り方に関する記事も多く読まれました。6位の「『人工知能』が医師や看護師代わりに? 意外な分野で進む実用化」は、米IBMの人工知能スーパーコンピュータ「IBM Watson」の医療業界での活用を考察した記事です。膨大な量のデータに対して自然言語で投げ掛けられた質問を処理して、ほんの数分で根拠に基づいた回答を計算する同コンピュータ。保険会社の米WellPointは、IBMとパートナーシップを通じてWatsonを利用。3千を超える診療所のネットワークと連携し、患者への対応と治療選択肢の提示をほぼ瞬時に行っているそうです。

 10位の「未来を変える医療ITは“患者共感”型が主流に」は、2014年1月に神戸市で開催された「医療×ITベンチャーサミット」のイベントリポート。医療・ヘルスケア分野で新しい製品・サービスを提供するベンチャー企業の取り組みを紹介しています。それぞれ事業のスタート地点は異なりますが、「ITで医療の未来を変える」という思いは共通していました(関連記事:医療産業都市・神戸市から、医療ITベンチャーの振興を提言)。

 厚生労働省によると、1970年代は70万人だった年間死亡者数は増加し続けており、ピークを迎える2040年には166万人になり、その8割を75歳以上の高齢者が占めるとのこと。これからの日本は今まで経験したことのない多死社会を迎えるといわれています。5位の「流通ジャーナリスト・金子哲雄さんが選んだ“自分らしい『死に方』”とは?」は、2012年10月に41歳の若さで亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さんの夫人である稚子さんの講演リポート。闘病中の金子哲雄さんが看護師と1000通以上のメールをやりとりしたエピソードなど、ITツールを使った豊かなコミュニケーションが、精神的に不安定になり始めた夫を支えていたと語っています。

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