2012年10月に41歳の若さで亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さん。夫人の金子稚子さんは「看護師との1000通以上のメールなど、ITを活用した周囲とのコミュニケーションが彼を支えた」と語る。
「流通ジャーナリスト」として、テレビやラジオ、雑誌など多くのメディアで活躍していた金子哲雄さん。常に笑顔を絶やさず独特の口調で、主婦を中心とした消費者にお得な情報を発信している姿を覚えている人も多いだろう。
2012年10月2日、金子哲雄さんは41歳の若さでこの世を去る。
その後、「肺の悪性腫瘍の中でもまれな種類といわれる『肺カルチノイド』を患っていたこと」「病気を隠して亡くなる直前まで仕事を続けたこと」「自身の通夜や葬儀、埋葬場所まで生前から準備していたこと」などが明らかになった。また、亡くなる1カ月前に執筆を開始したという『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』(小学館)は、当時広まりつつあった「終活」(人生の終わりのための活動の略語)に関連する書籍として多くの人に読まれた。
「死ぬことは、生きることと同じ――」。闘病生活を支えた夫人の金子稚子さんは、金子哲雄さんがたどり着いたという死生観をこう表現する。病気が発覚したときに「生きている方が不思議だ」と医師から言われ、死に対する恐怖や激しい感情の揺れを経験しながら、自分らしく最期まで生きた金子哲雄さんについて、「ITツールを活用した医療従事者とのつながりが支えだった」と振り返る。本稿では、2014年2月に開催された「メディカルケアステーションサミット2014」での講演内容を踏まえ、「医療と死」「患者やその家族を支えるITの効果」を考察する。
金子稚子さんによると、金子哲雄さんは2011年6月末、医師から「肺カルチノイド」と確定診断を受けたときには既に9センチの腫瘍があり、「常に首を絞められている状態で、生きていることが不思議だ」と言われ、緩和ケア外来の受診を勧められたという。
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