「Enterprise Grid」の導入数は不透明
急増するSlackユーザー数、勝因は口コミによる普及?
チームコラボレーションツールの競争が激化する中、「Slack」のユーザー数が急増している。800万人以上のユーザーが日常的にSlackを利用している。そのうち300万人が有料プラン加入者だという。
MicrosoftやCisco Systems、その他従来のユニファイドコミュニケーション(UC)ベンダーは、競争が激化しているチームコラボレーションプラットフォームにリソースを投入している。にもかかわらずSlack Technologiesは引き続き、目覚ましいスピードで無料プランおよび有料プランのユーザーを獲得し続けている。
50万を超える世界中の組織で、800万人以上のユーザーが日常的に「Slack」を利用している、と同社は2018年5月9日に発表した。2017年9月時点での1日当たりのアクティブユーザー数は600万人だった。このチームベースのメッセージング製品は2013年に登場した。
最も注目に値するのは、チームと企業が今後ますますSlackに対価を払おうとしている傾向を、最新のユーザー数が示していることだ。現在300万人以上のユーザーと7万のチームがSlackの有料プランを利用している。それと比較すると8カ月前は、ユーザー数200万人、チームは5万だった。
併せて読みたいお薦め記事
「Slack」についてもっと詳しく
- 大企業向けSlack「Slack Enterprise Grid」の知っておきたい強化点
- Slackが「音声通話」「ビデオ通話」機能をあえて強化しない理由
- 「Slack」の新機能「プライベート共有チャンネル」は何ができて、何ができない?
「Slack」と競合製品/サービスを比較
Slackの開発者コミュニティーも拡大し続けており、毎週20万人以上の開発者がこのプラットフォームで開発している。Slack専用アプリストアでは、「Salesforce」や「Google Drive」のようなサードパーティーのSaaS(software as a service)と統合する1500ものアプリを提供している。
Slackは「Enterprise Grid」の導入状況について、これまであまり公表していない。この製品は、大企業が単一インスタンス内で複数のSlackチームを統一して管理できるように設計したものだ。2018年1月に同社は、150社がEnterprise Gridを採用したと発表していたが、2015年5月の発表では、この製品については言及しなかった。
「有料プランを利用するチームが7万もある、という発表には目を見張るものがある。しかしEnterprise Gridについて特に言及がないので、本当に販売が好調なのかどうか疑問を抱いてしまう。だから依然として、企業における普及の大部分はチーム単位で進んでいる」と調査会社Nemertes Research Groupのアナリスト、アーウィン・レイザー氏は述べる。
Enterprise Gridは大企業向けに設計されている。一方、Slackの主力製品は中小企業や個々のチームを対象としている。Slackは、Fortune 100社のうち65%以上がSlack有料プランに加入するユーザーだと発表したが、それらの顧客のうち、エンタープライズ規模の導入を行った顧客とEnterprise Gridを使用している顧客のそれぞれの数については明示しなかった。
競争激化の中、Slackユーザー数が急増
Slackと同様にクラウドをベースとする数十ものチームコラボレーションアプリがこの数年の間に登場した。「Microsoft Teams」「Cisco Webex Teams」「Google Hangouts Chat」、そしてAtlassianの「Stride」などだ。ユーザーは、これらのアプリが単一インタフェースでどのようにしてメッセージング機能、ファイル共有およびオンラインミーティング機能を提供しているか、という観点で評価を下す。
Microsoftは2018年3月、20万の組織がMicrosoft Teamsを使用していると発表した。しかし、この数字には、パイロットプログラムを実行しているだけの「Skype for Business Online」ユーザーが少数含まれており、Microsoftは1日当たりのアクティブユーザー数を明らかにしなかった。
アナリストは、マーケットリーダーとしてのSlackの評判が、少なくとも短期的には、大規模なテクノロジーベンダーとの競争力を維持するのに役立つだろうと考えている。今のところ、Slackは他のチームコラボレーションアプリよりもはるかに多くのサードパーティー製のアプリと統合できる。
Slackの成功には、口コミのフリーミアムダウンロードが今でも不可欠
Autodeskは、社内の異なる85チームが既にSlackを使い始めていたことが判明したため、全社的なSlackの導入を数年前に決定した。Autodeskは現在8900人のSlack登録ユーザーを抱え、そのうち5500~6000人が毎月アクティブにSlackを使用している。
Autodeskのオープンソースディレクターであるガイ・マーティン氏は「Slackを導入する前に、自分のチームで他社のチームコラボレーションアプリを徹底的に調査した」と語った。同社は、Slackが持つ多くの統合製品と、デフォルトでメッセージングチャネルを公開する機能および、部門間の連帯を促進する機能を評価している。
マーティン氏は「Microsoft TeamsのようなSlackの競争相手へのアップグレードに後れを取らないようにしてはいるが、現時点では、Autodeskは従業員からの同意がない限り、アプリを切り替える可能性は低い」と述べた。
「口コミによる拡散という視点でも、明らかにSlackの導入は自然に進んでいた。コミュニティーにとって最も理にかなっているものを理解する際の苦労に比べたら、ツールを追いかける苦労の方がはるかに少ない」とマーティン氏は語った。
「ユーザーコミュニティーのニーズを満たさないようなツールの使用をトップダウンで命令するのは、いつだって困難なことだ」とマーティン氏は付け加えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
4
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
5
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
6
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
7
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
8
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー