既に150社を超す大規模組織が利用している「Slack Enterprise Grid」。Slackはその利用を更に広げるために、機能強化を続けている。注目すべき最近の強化点をまとめた。
新興ベンダーのSlackが、チームコラボレーションサービスの大規模組織向けプラン「Slack Enterprise Grid」のセキュリティや拡張性の強化を図っている。これまでは“口コミ”でのボトムアップによる普及に頼っていた同社だが、現在はトップダウンによる全社的な採用を促進しようとしている。
Slackの同名サービスを日常的に利用するアクティブユーザーは、600万人に達した。この成功は、Slackの利便性に関するうわさが広がり、組織内の小人数チームが時としてIT部門の許可を得ないまま、無料版を相次いで利用し始めたことによる。
2017年の提供開始以来、大規模組織向けSlackであるSlack Enterprise Gridは、メディアの21st Century Fox(21世紀フォックス)や小売りのTarget、金融のCapital One Financial、IBMなど150社以上の大規模組織に採用された。
「Microsoft Teams」「Cisco Spark」といった競合製品/サービスの高度化が進む中、Slackは自らが始動させたチームコラボレーション市場で、競争に勝つための新しい手段を見つける必要に迫られている。
調査会社Nemertes Researchのアナリスト、アーウィン・ラザー氏は「Slackはガバナンスやコンプライアンス(法令順守)の支援といった大規模組織向けの機能強化を続けている」と語る。こうした強化は「形勢を一変させるものというよりも、進化の過程だ」とラザー氏は指摘する。
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