企業がチームコラボレーションツールを評価するときには、ツール導入の全プロセスを評価しなければならない。主要製品の機能を比較し、選択のポイントを解説する。
チームコラボレーションツールを導入するときには、幾つかの選択肢を検討しなければならない。その選択肢を絞り込むには、エンドユーザーがチームコラボレーションツールをどのように使うかを理解することが重要になる。多くのクラウドメッセージングサービスでは類似機能が提供されている。だが、各製品には他社製品より優位に立つために幾つか鍵となる差別化要素がある。
本稿では、特定のシナリオに最適なチームコラボレーションツールを紹介する。なお、本稿で取り上げるツールは、Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Chime」、Atlassianの「Atlassian Stride」、BroadSoftの「BroadSoft Team-One」、CA Technologiesの「CA Flowdock」、Cisco Systems(Cisco)の「Cisco Spark」、Googleの「Googleハングアウト」、Microsoftの「Microsoft Teams」、RingCentralの「RingCentral Glip」、Slackの「Slack」、Unifyの「Unify Circuit」だ。
既存の音声/ビデオによる通信アーキテクチャをユニファイドコミュニケーション(UC)プラットフォームと入れ替えたい場合は、Cisco Spark、Microsoft Teams、RingCentral Glipがお薦めの候補になるだろう。なお、UCの特徴は、チームコラボレーションツールを備えていることだ。
Cisco Sparkは2015年後半に誕生したプラットフォームで、「Cisco IP Phone」やビデオ会議のハードウェアなど、従来のUCハードウェアとも統合する。また、Ciscoの対話型タッチデバイス「Spark Board」などの新しい製品では、Cisco Sparkと完全に統合されたハイテクカンファレンスルームハードウェアをユーザーに提供している。このようなハードウェアは、他のベンダーではほとんど見られないものだ。
この分野におけるCiscoの主な競合相手はMicrosoftだろう。Microsoftは、2011年に買収した「Skype」を使って、音声、ビデオ、メッセージングの機能を備えたコラボレーションサービスを何年にも渡って提供している。だが、2017年、同社は「Skype for Business Online」を同社の新製品であるMicrosoft Teamsに徐々に置き換えていくことを発表している。
一から作られたMicrosoft Teamsは、クラウドベースの音声通話とビデオ通話を売りにしているが、メッセージング中心のアプリケーション向けのインタフェースを備えている。Microsoft Teamsは、まだ初期の発達段階にある製品だ。にもかかわらず、Microsoftが公開しているMicrosoft Teamsのロードマップは、Cisco Sparkの競合製品となるのにふさわしい高度なコラボレーションツールであふれている。
既存のコミュニケーションツールの完全な代替ツールとなる3つ目の選択肢は、RingCentral Glipだ。RingCentralに買収される以前、GlipはSlackと肩を並べる数少ないメッセージング中心のチームコラボレーションツールだった。だが、2015年にGlipを買収して以来、RingCentralはGlipを総合的なUCツールセットにすべく、同社が保有する音声、ビデオ、Web会議のテクノロジーを統合してきた。なお、Glipは中小企業向けのツールだ。
完全統合型のコラボレーションプラットフォームを必要としている企業もあれば、プロジェクト単位でコミュニケーションや整理を行えるチームコラボレーションツールを必要としている企業もある。後者に分類されるツールを探している場合は、Slack、Atlassian Stride、CA Flowdockを検討すると良いだろう。
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