「クライアント端末管理」のノウハウ、賢い使い方のヒント

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統合エンドポイント管理が実現する価値

 1980年代にクライアント/サーバコンピューティングが登場して以来、ITチームはユーザーのエンドポイント端末を管理する必要性に迫られてきた。初期の時代は、そのほぼ全てが固定された場所にあるデスクトップ型PCで、「MS-DOS」を搭載していた。1990年代に「Windows 3.x」とノートPCが登場した。さらに社外で簡単にインターネットにアクセスできるようになると管理作業は複雑性が増し、今やウェアラブル端末を含むスマートモバイル端末が到来した。(続きはページの末尾にあります)

クライアント端末管理関連の運用&Tips

「Windows」と「Chromebook」の“良いとこ取り”なうれしい方法とは

Windowsアプリケーションの利用を継続しつつも、より中身の軽量なPCに移行したい場合に使える選択肢がある。PCのエンドユーザーにとっても、IT管理者にとっても利点が得られる可能性のある方法だ。

(2024/4/28)

脱Windowsを「Chromebook」で果たす“とっておきの方法”

Windows搭載のPCを使ってきたものの、ハードウェアのコストを削減したり操作性を軽くしたりしたい場合には、「Chromebook」が選択肢の一つになる場合がある。具体的に解説しよう。

(2024/4/21)

Windows「レジストリ掃除」“効果あり”を信じるなら使えるツールはどれだ?

Windowsのレジストリは、システムやアプリケーションに関する設定情報を格納している。不要な設定情報を削除するのに使えるツールを紹介しよう。

(2024/3/24)

「PowerShell」を日本語&無料で学びたい人向けの“お手軽ツール”はこれだ

「PowerShell」のスキルは、システム管理者の専門性が重視される時代において、キャリアパスを開く重要な要素になる可能性がある。日本語で学べるものも含め、PowerShellのオンライン学習コースを紹介する。

(2024/3/23)

Windows 11の永続ライセンスが消えて“毎月課金”になる予感

複雑なライセンス体系がしばしば悩みの種となる「Windows」。永続ライセンスがなくなり、サブスクリプション形式に全面移行するのではないかとの臆測さえ生まれる中、適切なWindowsライセンスをどう選べばよいのか。

(2024/3/21)

Macの「暗号化機能」は実はこんなにある なぜ必要なのか?

Macはさまざまな暗号化機能を搭載している。暗号化はなぜ必要なのか。その理由を、Macで利用できる暗号化機能やデータ保護機能と併せて紹介する。

(2024/3/20)

Windowsのちょっと危険な「レジストリ掃除」で効果を狙えるクリーナーはこれだ

Windowsのレジストリは、システムに関する設定情報を含むデータベースだ。市場にはレジストリのクリーニングに使えるさまざなレジストリクリーナーがある。そのうち主要なソフトウェアを紹介する。

(2024/3/18)

1時間ちょっとで「PowerShell」スキルが身に付く"あの学習コース"とは?

「PowerShell」を学ぶ場として、さまざまなオンライン学習コースがある。コースを選ぶ際は、提供会社を見ることが一つの判断材料になる。ビジネスパーソンにおなじみのLinkedInが提供するコースとは。

(2024/3/16)

Windows「レジストリ掃除」の“本当の効果” 必要なのか無意味なのか?

Windowsのレジストリはシステムの重要な情報を含んでおり、安易に変更することはお勧めできない。だがレジストリのクリーニングによる効果を期待する人は少なくない。レジストリに関する正しい知識とは。

(2024/3/11)

初級者でも「PowerShell」がしっかり学べるオンライン基礎コースはこれだ

オンラインでMicrosoft「PowerShell」の学習ができるコースは、初級者から上級者向けのものまでさまざまだ。初級者や中級者がPowerShellの基礎知識を習得できるコースを紹介しよう。

(2024/3/9)

Windowsで安易に触れちゃいけない「レジストリ」の内部構造とは何か?

Windowsのレジストリには、Windowsのシステムに関するさまざまな設定情報が記録されている。安易に変更することはお勧めできないが、何らかの改善をする上でその構造や内容を知っておくことが重要だ。

(2024/3/3)

「PowerShell」の学習方法とは? 初級から上級向けのオンラインコース

Microsoftの「PowerShell」を使うことで、システム管理のさまざまな業務を自動化できる。PowerShellをオンラインで学習するためのさまざまなコースがある。自分に最適なコースを選択しよう。

(2024/3/2)

Appleがついに「iPhone」にまで「USB」を使い始めた理由

Appleは同社デバイスのコネクター技術として独自の「Lightning」をやめて、「USB」に切り替えることにした。独自の使用にこだわってきた同社が“USBの優位性”を認めたのはなぜだったのか。

(2024/2/19)

Windowsで「画面が真っ暗」になったらマルウェアか“あの欠陥”を疑うべき?

Windows搭載PCの画面が真っ黒になる、というブラックスクリーンの事象はさまざまな原因で発生する。考えられる原因と併せて、どのように対処したらよいのかを紹介する。

(2024/2/18)

「PC」や「スマホ」を“ごみ”にするよりリサイクルするのがお得な理由

不要な業務用端末を廃棄するときは、できる限りリサイクルを選択することが企業経営にも良い影響を与える。それはなぜか。適切な廃棄プロセスとリサイクル戦略を策定するためのヒントを説明する。

(2024/2/16)

「Windows 11」の“レジストリ復元”でエラーになったときの対処法は?

Windows搭載PCの設定を誤って変更した場合の復元手段として、レジストリのバックアップを活用できる。バックアップデータからの復元が失敗した場合の対処法とは。

(2024/2/12)

USBが「なぜこんなにあるのか」が分かる“USB分岐の系譜”

1990年代に登場したUSBは、どのような進化を遂げてきたのか。技術開発が始まった1995年から、最新版が登場した2022年までの歴史を振り返る。

(2024/2/12)

Windowsで電源ONなのに「何も映らない」ときの原因は“あのデバイス”かも?

「Windows」ではPC画面が真っ黒になるブラックスクリーンの事象が発生することがある。ハードウェアやドライバが原因で発生する問題の対処法を紹介する。

(2024/2/11)

「Windows 11」のレジストリを復元するには? 設定変更で失敗したときの救世主

レジストリのバックアップを作成しておくと、PCの設定を誤って変更した場合の復元手段として活用できる。「Windows 11」のレジストリを、バックアップデータから復元する手順を紹介する。

(2024/2/10)

いまさら聞けない「USB」が使われる“2つの目的”とは何か?

一言で「USB」と言っても、USBには多様な種類がある。「USBとは何か」を理解するには、USBのそもそもの役割や、メリットとデメリットを知っておく必要がある。そのポイントを簡潔にまとめる。

(2024/2/5)

UEMとは

 センサーや探知機、カメラといったモノのインターネット(IoT)アプリケーションの普及に伴い、非ユーザー端末も爆発的に増えている。もちろん、ファイルサーバやプリンタといった従来の機器も消滅したわけではない。エンドポイント管理に関係した量の問題は、物理的な場所が問題にならない多くの機器を仮想化できる能力によって、さらに悪化している。

 ユーザーにとって多様性とは、同じアプリケーションとデータにあらゆる端末を使ってどこからでもアクセスできる柔軟性を意味する。だがIT部門にとっての日常は複雑化が進む。機器が増え、OSは多様化し、セキュリティ脅威は増し、それに加えて複数の管理ツールが存在する。IT部門は全てのエンドポイントを管理できる単一の管理画面を必要としていた。では、いわゆる統合型エンドポイント管理(UEM)を通じたその実現において、IT業界はどこまで進んだのか。

UEM以前:過剰な頭文字

 業界が長年使ってきた用語は混乱に満ちていた。最初のツールは主にPC管理の目的で開発された。当時をさかのぼって、これは一部ではクライアント管理ツール(CMT)と呼ばれている。CMTは会社が管理するWindowsデスクトップのゴールデンイメージを生成し、確実にパッチを当てて脆弱(ぜいじゃく)性のない状態を保ち、ハードウェアとソフトウェアのインベントリを管理した。これと並行して、ITセキュリティに関する懸念の増大が、新しい種類のエンドポイントセキュリティツールにつながった。

 携帯電話を管理する必要性は、モバイル端末管理(MDM)のための新しい専用ツールを生み出した。初期のころは、ほとんどが通信費や契約、通話時間、SIM、支払い、そして端末そのものの管理に対応していた。携帯電話がスマートフォンに進化すると、ユーザーの私物端末を使って会社のリソースにアクセスするBYOD(私物端末の業務利用)や、ユーザーがアプリストアから直接ダウンロードできるソフトウェアの氾濫など、新しい課題が浮上した。

 さらに混乱を招く頭文字として、モバイルアプリケーション管理(MAM)、モバイル経費管理(MEM)、モバイル脅威管理(MTM)、モバイルID管理(MIM)、モバイルコンテンツ管理(MCM)などがある。一時期は、そうした全ての総称としてエンタープライズモバイル管理(EMM)という用語に落ち着いた。今ではCMTとMDM/EMMをまとめてUEMと総称される。これが最後の頭文字になることを望みたい。

 UEMは、単一の管理画面を提供し、管理作業の多くを自動化し、相対的な監視を通じてセキュリティを強化することによって、エンドポイントの管理コスト削減と複雑性の低減を図る。UEMツールの機能はサプライヤーによってさまざまだが、何らかの基本的な機能はあるはずだ。

 そうした機能には、発見とインベントリ、資産管理、リモートプロビジョニングと設定、ライフサイクル管理が含まれ、必要な承認ワークフローとユーザーセルフサービスを伴う。

 ソフトウェアライセンスとその配布は管理を必要とする。ユーザー端末上では、電子メール、カレンダー、連絡先管理、文書エディタ、ソーシャルメディアなどの業務用アプリがこれに含まれ、そうしたアプリは適切かつセキュアに使われなければならない。その全ては、場合によっては数万台にも上る大量の機器を横断して達成できる必要がある。

 端末の種類は、サーバ、デスクトップPC、ノートPC、スマートフォン、タブレット、プリンタ、そしてIoTに分類されるさらに難解な機器など、組織によって多岐にわたる。OSの数は著しく増えた。「Android」と「iOS」はスマートフォンを独占し、「Linux」「Chrome OS」「macOS」はそれより大型の端末に使われる。IoT用途としては「QNX」「Tizen」「Android Things」「Windows 10 IoT」などがある。

 BYOD対応の課題としては、会社のデータを守る必要と、仕事用と私用のアプリを同じ端末上で確実に分離する必要が挙げられる。これはコンテナを使って業務用と私用を分離し、端末の間を行き来するビジネスデータの流れを制御し、ユーザーの行動に関するインサイトを引き出すためのデータ分析を提供することによって実現する。データの暗号化は必要に応じて徹底させなければならない。

 セキュリティ対策では、会社のシステムを未知のエンドポイントから守る必要がある。さらに先を行って、全てのエンドポイントを敵対的なものとして扱う場合もある。ホームネットワークに再接続する既知のエンドポイントが、別の所に接続した際にハッキングされた可能性もあるためだ。

 他のセキュリティ機能には、基本的なマルウェア対策、セキュアなWeb閲覧とURLフィルタリング、遠隔操作によるロックや端末のデータ消去、GPS追跡、位置情報ベースのポリシーコントロール、端末がジェイルブレークされたときの検出、ユーザー認証などのIDおよびアクセス管理が含まれる必要がある。

市場の統合

 UEM分野に参入しているサプライヤーのほとんどは、以前から存在しているCMT、エンドポイントセキュリティ、あるいはMDM/EMMのいずれかの領域の出身だ。主な製品はいずれも最初からUEMとして設計されたわけではない。受け継がれた強みが明らかな製品もあれば、買収や新規開発によって複数分野で同等な強みを持つ製品もある。

 ほとんどのサプライヤーはUEMをオンプレミスソフトウェアかクラウドベース、あるいはその2つのハイブリッドとして提供している。その方法には違いがあり、どのデリバリーの仕組みに強みを持つかはそれぞれのサプライヤーのバックグラウンドによって異なる。方向性はオンプレミスからクラウドへと向かっているが、金融サービスのような特定の業界は、依然として社内にとどめることを好む。

 CMTをバックグラウンドとするサプライヤーにはMicrosoftが含まれる。同社は今「System Center Configuration Manager」「Microsoft Enterprise Mobility + Security」を通じて異種混合のUEMを提供しており、これには「Intune」が含まれる。Citrix SystemsにはUEMのための「Endpoint Management」があり、2017年にはIntuneの顧客向けにMicrosoftとの提携を発表した。

中堅中小企業のためのUEM

 Kaseyaが発表した「RMM(Remote Monitoring and Management) 2.0」は、同社のエンドポイント管理ソフトウェア「VSA」と、高度なネットワークモニター管理ソフトウェア「Traverse」を統合している。Kaseyaは以前からエンタープライズと管理型サービスプロバイダー支援に強みがあり、後者は中堅・中小企業向けにUEMを提供している。

 Quest Software(Dellの一部門から独立)にはUEM事業部門があり、「KACE」シリーズは「KACE Cloud MDM」と「KACE Systems Management Appliance」の統合を通じたUEMを提供している。ManageEngineは2005年に「Desktop Central」を、2012年には「Mobile Device Management」を立ち上げた。2015年からは単一のUEMコンソールを提供しているという。

 IBMは従来、「MaaS360 UEM」に使われているWatson技術の認識能力を売りにしている。Ivantiは同社の「LANDesk」および「HEAT」をベースとしたUEMを開発してきた。

 MDM/EMM側を見ると、10年ほど前に登場して現在はUEMを提供している一群の中で、MobileIronは今も独立して経営を続けている筆頭級のプロバイダーだ。VMwareの「Workspace ONE UEM」は2014年に買収したAirWatchをベースとしている。Good Technologyは、AppleとAndroidベースのスマートフォンの台頭によって苦戦するBlackBerryによって買収された。

 カナダのSOTIは新しい「SOTI ONE」プラットフォームでUEMに名乗りを上げた。他のサプライヤーとして、Silverback買収をベースとするMatrix42 UEM、北京を拠点とするNationSkyの「NQSky」、ストックホルムを拠点とするSnow Softwareなどがある。

 セキュリティ側では、Kaspersky Labの「Endpoint Security for Business」「Endpoint Security Cloud for SMB」が、「VMware AirWatch」や「Sophos Mobile」とともに市場開拓活動を展開している。

UEMの将来

 現在は恐らくエンドポイント管理を検討する好機かもしれない。Microsoftは2015年1月13日でWindows 7のメインストリームサポートを打ち切り、2020年1月14日には延長サポートも終了する。

 これは、まだWindows 10に移行していない多くの組織にとって、ユーザーエンドポイントのメジャーアップデートを意味する。古いバージョンを使い続けることに伴うリスクは、2017年に猛威を振るったマルウェア「WannaCry」で浮き彫りになった。

 だがこのタイミングで更新すべきはWindowsそのものだけではなさそうだ。全般的なユーザーエンドポイントの利用状況、さらには全てのエンドポイントがどう管理されているのかを見直すチャンスでもある。

 UEMシステムを導入する企業は、ユーザーへの選択肢の提供にとどまらず、全てのエンドポイントのセキュリティ問題への対応や、増大し続けるITの領域のコスト管理態勢において優位に立つだろう。

UEMに求められる20の機能

管理全般

  • 単一の管理画面
  • 資産管理
  • ソフトウェアライセンス契約
  • ソフトウェアの更新管理
  • ゴールデンイメージの配信
  • リモートプロビジョニング
  • 承認ワークフロー
  • ユーザーセルフサービス
  • 大量デバイス管理
  • 端末発見

セキュリティ

  • コンテナ化
  • 脆弱性管理
  • 暗号化・データ保護
  • マルウェア対策
  • Web閲覧のセキュリティ対策
  • リモートからのロック/消去

モバイル専用

  • BYODのサポート
  • 通信費管理
  • 通話契約管理
  • アプリ管理