「リモートデスクトップ」を使用中、突然黒い画面になって操作不能な状態に陥ったとき、IT担当者は何を確認すべきなのか。問題の原因の特定と解消に役立つ3つの作業とは。
「Windows 11」をはじめ、クライアントOS「Windows」は遠隔からのデスクトップ操作を可能にする機能「リモートデスクトップ」を搭載している。エンドユーザーがリモートデスクトップを使用中に、操作不能な黒い画面(ブラックスクリーン)が表示されたとき、IT管理者は何をすべきなのか。リモートデスクトップの問題を引き起こす要因を特定し、問題を解消してセッションを再開させるための6つの対処法のうち、4つ目から6つ目を解説する。
場合によっては、解像度の設定が正しくないだけで、リモートデスクトップで黒い画面が表示されることがある。Windowsのコマンドラインインタフェース(CLI)である「コマンドプロンプト」から「mstsc.exe」(リモートデスクトップ接続)を実行し、「画面」タブのスライダーを動かすことで、画面解像度の設定を変更、確認可能だ。
解像度の設定で「全画面」を選択すると、たいていの場合は適切な解像度を適用できる。それでも問題が解決しない場合は、クライアントデバイスのネイティブ解像度(ディスプレイに対する推奨解像度)に設定してみよう。接続を確実に反映させるには、クライアントデバイスや接続先マシンのディスプレイよりも低い解像度(800×600ピクセルなど)を選択すると有効な場合がある。
ユーザープロファイルや、Microsoftの「FSLogix」などのユーザープロファイル管理機能が原因となって、リモートデスクトップで問題が起きることもある。ユーザープロファイルが正しく読み込まれていないと、リモートデスクトップでブラックスクリーンが表示されたり、セッションが切断したりしかねない。こうした問題は、システムがユーザープロファイルの保存先にアクセスできなかったり、保存先の容量が上限に達していたりといった状態で引き起こされる場合がある。
管理者はWindowsのレジストリ(設定情報をまとめたファイル)で、ユーザープロファイルの読み込みに関する設定「PreventLoginWithFailure」を変更可能だ。この項目を有効にすることで、システムがユーザープロファイルを正しく読み込まなかった場合に、リモートデスクトップによるログインをブロックできるようになる。
ユーザープロファイルが正しく読み込まれない問題は、ユーザープロファイル管理機能が確実に機能し、システムがユーザープロファイルを迅速に読み込めるようにすることが根本的な解決策だ。そのためにはファイルサーバを監視し、ストレージの空き容量が十分にあり、ユーザープロファイルのサイズが上限に達していないことを確認する必要がある。リモートデスクトップを適切に利用するためのユーザープロファイルとその管理体制を確保し、ユーザープロファイルを更新するたびにテストすることが重要だ。
リモートデスクトップサービスが停止したり、応答しなくなったりしている可能性もある。この問題は、Windowsの「ファイル名を指定して実行」で、サービス管理ツール「services.msc」(サービス)を管理者として実行することで解決できる可能性がある。サービスが起動したら、左パネルの「サービス(ローカル)」を右クリックして「別のコンピューターへ接続」を選択し、問題が起きているコンピュータに接続する。その後、サービス一覧から「Remote Desktop Services」を選択して、右クリックをしてから「サービスの開始」を選ぶ。
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