「テープ装置」徹底比較 選び方、お薦め製品は?

ユーザー企業のIT担当者を対象に、IT製品/サービスの導入・購買に役立つ情報を提供する無料の会員制メディア「TechTargetジャパン」。このコンテンツでは、テープ装置に関する比較の記事を紹介します。製品/サービス選定の参考にご覧ください(リンク先のページはPR記事を含みます)。

テープとは? 主要な特徴と用途を解説

 磁気テープはストレージの中でも特に古い。従来はメインストレージやバックアップストレージとして利用されてきたが、こうした用途は他のストレージへの置き換わりが進んでいる。それでもテープは記憶容量の大きさとコストの低さ、耐久性の高さといったメリットを持ち、アーカイブデータの保管に適した選択肢として、今でもユーザー企業の支持を集めている。テープはデータの検索やカートリッジの交換にかかる待ち時間が長くなりがちであり、メインシステムのストレージには適さない。アーカイブデータであれば、待ち時間が問題になることはまずない。そのためアーカイブデータを長期間保管する用途で、テープは広く利用されている。(続きはページの末尾にあります)

テープ装置関連の比較

HDDもクラウドストレージも「テープ」の代役になれないのはなぜ?

企業が新たなデータを保管し続ける中で、独自の立ち位置を築いてきたストレージが「テープ」だ。専門家によれば、テープの代替になり得るストレージは、現状では見当たらない。テープ独自の利点とは。

(2023/7/24)

「テープ」と「クラウドストレージ」の一長一短 動画に使えるストレージは?

大容量の動画データを保管する場合、コストや管理方法など幾つかのポイントを軸にして検討するとよい。テープに対して、クラウドストレージにはどのようなメリットがあり、何に注意すべきなのか。

(2022/4/11)

「テープ」が大容量化でHDDを置き去りに? 10年で数十倍増も実現か

日々さまざまなデータを扱う中で、企業が保管するデータは増える一方だ。こうした中でデータ保管用のストレージとして進化を続ける「テープ」の注目点を紹介する。

(2022/1/13)

バックアップシステム刷新――コストメリットがないのに満足の理由

ある企業がテープバックアップからディスクバックアップに移行した。コスト的なメリットは得られなかったものの満足しているのはなぜか。同社が解決したかったものとは何か。

(2021/6/3)

「テープ」復活は本当? データ保護の未来を読み解く

サーバ仮想化やクラウド、フラッシュストレージなど、企業のデータ保護を取り巻く状況は変化を続けている。従来型のバックアップ製品や手法は今でも有効なのだろうか。その実態を探る。

(2015/10/2)

Linux向け高速バックアップ/リカバリ製品、ストレージクラフトが投入

ストレージクラフトがWindowsシステム向けで定評のあるバックアップ/リカバリ製品のLinux版を発表。同時に日本でのビジネス戦略を発表した。

(2015/5/20)

富士フイルム、ソニーが“テープ保存”に回帰した意外な理由

2014年に入り、富士フイルムやソニーなどが磁気テープの新技術や新製品を相次いで発表している。ディスクに置き換えられる運命だと思われたテープが再び脚光を浴びた理由とは?

(2014/5/22)

データの長期保存に役立つアーカイブを解説した3つのホワイトペーパー

企業の内部統制やコンプライアンス対策を推進する際に重要な意味を持つ「アーカイブ」。本稿では、ストレージのアーカイブ機能を解説したホワイトペーパーを紹介する。

(2012/2/3)

重複排除バックアップストレージなど3製品を発表 日本HP

重複排除バックアップストレージの最上位機種、IAサーバベースのストレージ専用アプライアンスなどの販売を開始した。

(2011/12/2)

テープ置き換えに向け、バックアップ製品ラインアップを刷新 EMCジャパン

EMCジャパンがバックアップストレージの3つ新機種を発表。中堅・中小規模システムを対象にテープバックアップからの移行促進を狙う。

(2011/11/8)

日本HP、テープライブラリ最上位機種を刷新

日本HPがテープライブラリの最上位機種を7年振りに刷新した。仮想パーティションやプール機能などで拡張性を高め、最小100スロットからのスモールスタートも可能。

(2011/7/8)

バックアップ/リカバリ技術の2011年を展望する

バックアップ/リカバリの専門家が、VMware、重複排除技術、テープなど、幾つかのキーワードに絡めて2010年を振り返り、2011年を展望した。

(2011/1/18)

日本クアンタム、ネットワーク帯域消費を95%以上低減する重複除外対応VTLアプライアンス

日本クアンタムストレージが、VTLアプライアンスの新製品を発表。最大3.5Tバイト/時のバックアップ性能、最大56Tバイトの使用可能容量を提供する。

(2010/9/9)

HP、VTL新製品と狭帯域レプリケーションによるBCPソリューションを発表

日本HPが仮想テープライブラリの新製品と、「低帯域レプリケーションライセンス」による遠隔データバックアップソリューションを発表。限られた予算でも実現可能な「ディザスタリカバリの第一歩」だという。

(2009/3/6)

日本IBM、月額950円から利用できる従量制データバックアップサービス

日本アイ・ビー・エムは、インターネットを介してデータのバックアップが行える新サービスを発表した。保管データ量によって料金が決まる従量制の課金モデルを採用しているのが特徴だ。

(2008/6/18)

日本HP、保険型のPCデータ復旧サービスを開始

PCのHDD障害時に読み出せなくなったデータの復旧を行う「データリカバリサービス」および情報漏えいを防ぐ「HD返却不要サービス」の提供を開始

(2007/10/23)

日本HP、データ保存ソリューションの新製品を発表

メールなどのデータを安全に保管して活用、短期間で日本版SOX法への対応を可能にする「HP Integrated Archive Platform」を発売

(2007/10/4)

日本HP、同社初となる2Uエントリーラックマウント型サーバを発売

サーバの基本機能に特化することで開発コストを抑えた「HP ProLiant」の新機種「HP ProLiant DL180」2モデルを発売

(2007/8/3)

日本HP、LTO-4規格に準拠し暗号化にも対応したテープドライブ新製品を発表

従来比2倍のデータ記録が可能なほか、バンドルされるバックアップソフトによってLTO-4の暗号化機能をすぐに利用可能

(2007/8/2)

日本HP、中小規模向けに2種類のバックアップ製品を発表

ディスクバックアップシステムとDDS新世代テープドライブをラインアップに追加

(2007/6/28)

テープの用途、メリット、課題

 目的のデータに直接アクセスするランダムアクセスの速度では、テープはSSDなどのフラッシュストレージやHDDにかなわない。しかし一部の業界は、依然としてテープを有用なストレージとして評価している。

 例えば映画制作会社は、フラッシュストレージやHDDを利用するとコストの高騰が課題となるため、自社の映像をテープで記録していることがある。石油・ガス業界では、データの取得や移送、保管にテープを用いている企業は珍しくない。テープカートリッジは、石油の探鉱現場から、地理的に離れたデータセンターへとデータを移送するのに適したメディアだからだ。

テープストレージのメリット

 テープはフラッシュストレージやHDDよりも容量単価を抑えやすい。そのため大容量かつ長期にわたるバックアップストレージやアーカイブストレージとして有力な選択肢になる。記録容量やデータ書き込み速度といったテープの性能は、向上を続けている。テープのオープン規格である「LTO」(Linear Tape-Open)は、通常2、3年ごとに性能が向上した新しいバージョンが登場する。

 IT業界団体の電子情報技術産業協会(JEITA)は、「LTO-7」準拠のテープがデータを50年以上保存できると推定している。その耐久性から、アーカイブデータのストレージにも適している。簡単に移動させることができることもテープの強みだ。災害復旧(DR:ディザスタリカバリー)の際には、バックアップデータを記録したテープが、被災したデータセンターから十分に離れた距離にあれば、これを復旧に用いることができる。

 ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃を防止する際に、テープがオフラインであることは大きな強みになる。ネットワークに接続されていないテープにサイバー攻撃を加えることは難しい。テープの安全性は、この点でクラウドサービスを超えるとの見方がある。市場にはクラウドベンダーのデータセンターにバックアップデータを格納できるクラウドサービス(クラウドバックアップ)が存在するが、インターネットに接続されている点で、テープよりもサイバー攻撃に遭いやすいからだ。

テープの課題

 データの復旧速度は、テープよりもHDDの方が総じて早い。そのためHDDはバックアップに望ましい媒体としてテープに取って代わった。HDDはランダムアクセスがしやすいので、特定のデータを探すプロセスが迅速になる。

 HDDを用いたバックアップ製品では、リアルタイムでバックアップを実施するのが一般的だ。一方でデータの読み取り速度や書き込み速度が低いテープのバックアップ頻度は低く、1日単位になることも珍しくない。そのため直近のバックアップをテープで取得するのは適切ではない。