「電子カルテ」の仕組みやメリット、課題とは?

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電子カルテ(EHR)とは 患者データを集約して適切な医療に生かす

 「電子健康記録」(EHR)とも呼ばれる「電子カルテ」は、患者の健康に関する個人データを指す。通常、電子カルテは医療機関の電子カルテシステム(EHRシステム)で管理する。患者がモバイルデバイスを使って自身の健康記録にアクセスすることを望むようになったことから、電子カルテの用途は広がりつつある。(続きはページの末尾にあります)

電子カルテ関連の技術解説

「電子カルテ」導入で病院とITベンダーが分かり合えない“残念な理由”

医療機関とITベンダーが協力して電子カルテ導入に取り組む際、しばしば両者の認識のギャップが生じます。その原因は何なのでしょうか。ギャップを埋める手段となり得る「通訳者」の必要性とともに解説します。

(2021/7/27)

300億円の「医療情報化支援基金」は電子カルテ普及と標準化の追い風になるか

「地域包括ケアシステム」の真価を引き出すためにも医療情報の共有は不可欠です。しかし電子カルテの標準化は長期戦の様相を呈しています。300億円の「医療情報化支援基金」は、この現状を打破できるのでしょうか。

(2020/2/4)

医療機関が電子カルテを共有したがらない“本当の理由”と、その解決策

医療機関は、セキュリティを保つために医療情報の共有を避ける傾向がある。しかし情報の共有は、適切な医療を提供する上でメリットが大きい。医療情報の相互運用性を実現しつつ、セキュリティを保つ方法とは。

(2019/12/4)

2018年診療報酬改定に向けて議論進む「遠隔診療」が集患にも“効果あり”な理由

2018年の診療報酬改定では、遠隔診療で医学管理料が算定できるようになるかどうかが注目されています。遠隔診療関連で新設となる点数の要点を解説します。併せて遠隔診療が集患にも効果を発揮する理由を考察します。

(2018/1/9)

Bluetoothが医療機関を変える4つの可能性 「Bluetooth 5」登場でますます便利に

医療機関のBluetooth活用には大きな可能性がある。病院内の患者に屋内GPSを取り付けたり、患者が医療機器や治療に関する情報を受け取れたりできるようになる。

(2017/12/18)

タブレット問診票とウェアラブル血圧計は、医療現場のペーパーレスを後押しする?

問診票や、日々計測した血圧や血糖を記録する手帳は、紙ベースのフォーマットが長年利用されていました。しかし近年ではこれらもデジタル化が進んでいます。

(2017/7/24)

高度化するデータ侵害に“やられっ放し”の医療現場がやっと対策を本格化

2015年は大規模な医療データの侵害があった。2016年は破壊的なランサムウェア攻撃が目立った。そして2017年、医療現場のサイバーセキュリティは巻き返しを見せるかもしれない。

(2017/3/16)

なぜ小規模病院やクリニックはサイバー攻撃に対して無防備なのか?

小規模病院やクリニックはサイバー犯罪の標的になることが多い。セキュリティ対策に慣れていなかったり、規制要件への標準化が遅れていたりと、セキュリティへの対応が弱いためだ。

(2017/3/13)

2017年も被害は続く? 病院を狙うランサムウェア攻撃を防ぐ5つのヒント

2016年に最もサイバー攻撃の標的になったのは医療機関だという調査結果がある。2017年もその状況は続くだろう。だがIT担当者が適切な対策を続けることで、攻撃を防ぐことは可能だ。5つのコツを紹介する。

(2017/3/6)

電子カルテの3原則を、「機密性」「完全性」「見読性」「検索性」の4原則に変えよう

医療情報の電子保存の3原則としては「見読性」「真正性」「保存性」が長らく意識されてきた。だが情報セキュリティやe-文書法の要件と比べると重要な視点が欠けているのではないか、と筆者は説く。

(2016/6/15)

在宅医療では「いつでも」「どこでも」「誰でも」使えるシステムが普及のカギ

タブレット端末の普及により、クラウド型電子カルテが広く使われ始めている。このように「いつでも」「どこでも」「誰でも」という3つの条件をクリアしたシステムが、在宅医療では普及するかもしれない。

(2016/5/26)

ユーザーメイドで何が悪い!? 「インシデントレポート」からの教訓

ささいな手違いが重大事故にもつながりかねない医療の現場。そのリスク排除の一助となるべきITシステムだが、実際にはIT化が起因となるリスクを抱えてしまうこともある。

(2014/3/13)

診療所向け電子カルテ市場、2017年には170億円まで拡大

診療所の電子カルテ普及率は約2割だが、都市部の新規開業では9割も導入される傾向にある。電子カルテ市場の規模予測や主要ベンダーの最新動向などを踏まえて今後の診療所のIT化を占う。

(2013/10/25)

精神科病院向け電子カルテ「MEDIC EHR/P Ver.5」、スマートデバイス利用を可能に

精神科特有のオーダー機能を搭載。精神科のワークフローに適しており、文書作成・管理などの業務も軽減できるという。

(2013/5/31)

「患者数が多いと電子カルテの導入は難しい」は本当なのか?

電子カルテの誕生当初から「1日当たりの患者数」「PC操作スキル」がその導入の障壁に挙げられてきた。この2点を踏まえて、無理のない診療所のIT化について考えてみる。

(2012/10/3)

診療所のIT化 カギを握る6つのポイント

クラウドやスマートモバイル、災害対策など、診療所がIT化を進める上で重要な6つのポイントを紹介する。

(2012/1/13)

医療機関がIT化を進める真の目的

医療機関は誰のために、何のためにIT化を進めるべきなのか? 10年以上にわたる現場経験を踏まえ、IT化を進める上で大切な4つの視点を紹介する。

(2011/9/21)

用途が広がりつつある電子カルテ

 電子カルテは患者の連絡先情報や医療機関の受診記録、加入保険に関する情報、現病歴/既往歴、予防接種履歴、処方箋の履歴などのデータを含む。電子カルテシステムは、テキストデータだけではなく医用画像の管理も可能だ。電子カルテを利用することで、複数の医療機関や医療従事者の間で、患者の情報の共有や更新が容易になる。患者に対して適切な医療行為を提供するために、電子カルテは役立つ。

 患者データを電子カルテシステムに集約することで、そのデータを公衆衛生管理や医療制度の品質向上に役立てられる可能性がある。電子カルテの標準化を進めることで、医療行為の質の向上や医療従事者の業務効率化を目指す取り組みを、政府主導で実施している国もある。

電子カルテは今後どのように進化するのか

 電子カルテシステムには、まだ改善の余地がある。具体的には、医療機関が抱える以下の課題を解決するための機能の追加が挙げられる。

  • データ入力の負担軽減
  • 各患者に関する全てのデータに基づいた分析
  • 患者エンゲージメント(患者との結び付き)の向上
  • 精密医療や遠隔診療の実現
  • データの扱い方の透明性の向上
  • 「患者中心の治療」の推進