「5G」(第5世代移動通信システム)は「4G」(第4世代移動通信システム)以前の無線規格と比較して、無線通信の速度を大幅に向上させると同時に、遅延を低減するように設計された。(続きはページの末尾にあります)
「5G」(第5世代移動通信システム)が「4G」(第4世代移動通信システム)より速く普及していることが分かった。けん引役となっているのはどの用途と地域なのか。調査結果から5G普及の状況を見てみよう。
移動体通信システムをプライベートネットワークとして運用する「プライベート無線ネットワーク」の導入が進んでいるが、「5G」を使った「プライベート5G」の割合が想定よりも低いという。どういうことなのか。
業界団体のWBBAが公開したレポートは、メタバースやXR(Extended Reality)アプリケーションに必要な通信インフラについて解説している。メタバースに求められるブロードバンドとは。
Huawei Technologiesは5Gの進化系である「5G-Advanced」とAI技術を組み合わせる戦略で今後のビジネスを強化しようとしている。5G-Advancedは何ができるのか。どのようなビジネスが実現するのか。
業界団体の5G Americasが調査会社と共同で発表した調査結果によれば、5Gは4Gを上回るペースで普及している。今後も世界各国で5Gの利用が広がる見込みだ。
組み込み型SIMであるeSIMを使うことで、企業はどのようなメリットを得られるのか。eSIM関連サービスベンダーのeSIM Goのサービスを参考に、eSIMで何が可能になるのかを紹介する。
コアネットワークまでを5Gで構成する「5G SA」は、限られた通信事業者しか提供していない。5Gの利点を引き出しやすくなる5G SAの導入が進まない理由とは。
5Gの開発が世界的に遅れているという見方がある。開発の遅れの背景には何があるのか。世界各国の通信事業者の投資動向はどうなっているのか。
GSMAの調査によれば、アジア太平洋地域のモバイル通信市場の規模は拡大が見込まれる。しかし、その成長に当たっては幾つかの課題がある。
通信事業者の業界団体がアジア太平洋地域のモバイル通信市場について調査したところ、5Gの利用が急拡大していることが分かった。
Vodafone UKの調査では、英国人が5Gによって医療や公共、鉄道などの領域で変革を期待していることが分かった。同社は5Gを活用した未来の社会像も発表しており、5Gによりイノベーションを起こせるとアピールする。
Vodafone UKの調査では、英国人はAI技術よりも5Gによって日常生活がより便利になると期待する傾向にあることが分かった。5Gによる変革が期待されている領域は複数に及ぶ。
5Gの普及で社会はどれほどの恩恵を受けられるのか。Vodafoneの調査では社会全体で莫大(ばくだい)な支出や時間を節約できることが分かった。英国の国民健康保険料を年10億ポンド減らすことができる試算だ。
世界的に5Gの導入が拡大する中、どの業界が「プライベート5G」をけん引しているのか。ネットワーク関連製品ベンダーによる調査結果を紹介する。
「6G」の商用化に向けた準備が進み、数年後には活用が始まる可能性がある。その際、“あること”が6Gサービスの普及に欠かせないと調査会社は指摘する。そのあることとは。
世界各国で次世代通信インフラの切り札として構築が進む「5G」のネットワーク。5Gネットワークの取り組みが特に盛んなのはどこなのか。今後の技術開発の焦点は何になるのか。
各所で取り上げられ、引き続き注目を集める「5G」。実際にどれほど普及しており、今後どのようなペースで5G接続が増える見込みなのか。状況を整理する。
スマートフォン向けの半導体製品を提供するQualcommが、衛星通信機能「Snapdragon Satellite」を発表した。スマートフォンをはじめとした端末で何ができるようになるのか。
「5G」の活用や「6G」の登場が見込まれるモバイル通信分野。どのような動向に注目しておくべきなのか。レポートを基に要点を紹介する。
通信大手Verizon Communicationsは大学と提携し、「5G」を活用してデジタル格差の解消といった社会の変革を目指す。どのように実現するのか。
5Gは、携帯電話やIoT(モノのインターネット)デバイスの通信、プライベートネットワークなどへの利用に適している。携帯電話会社は、4Gの後継として5Gの提供を開始した。
5Gのダウンロード速度は、最高で20Gbpsに達する。通信速度は有線ネットワークの速度を上回ることもあり、遅延は5ミリ秒以下に抑えられる。そのためリアルタイムのデータ転送が必要なアプリケーションに役立つ。
通信方式として5Gは「5G New Radio」(5G NR)を採用している。5Gは、4Gも採用している無線アクセス技術である「直交周波数分割多重」(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を使用している。OFDMは、データを複数の搬送波(サブキャリア)に分割して伝送する技術だ。LTE(Long Term Evolution)を含む4Gは、5Gの基となっている。
5Gネットワークには、無線信号を送受信するための基地局が含まれる。5Gの信号は、電灯や建物の屋根などの場所に配置された幾つものスモールセル(小型の基地局)を通じて伝送されることがある。5Gが高速データを伝送するために利用する「ミリ波」と呼ばれる28GHzの周波数帯は天候や物理的な障害からの干渉を受けやすいため、狭い範囲に複数のスモールセルを設置する必要がある。
ミリ波の通信範囲が限定される問題を解決するためのさまざまな手法が研究されている。一つは人口密集地の各地区の周りに複数のノードを配置することだ。ミリ波の広がりづらさを解消するためのもう一つの方法は、「Sub-6」と呼ばれる6GHzより低い周波数帯と組み合わせて使用することだ。
5Gで利用する周波数帯は高周波数帯のミリ波と、低周波数帯または中周波数帯のSub-6に分かれている。一般的にはミリ波が最も高速になるが、Sub-6であってもLTEより速くなると見込める。Sub-6は通信速度がミリ波に劣るが、ミリ波よりも長距離に到達できる。ミリ波は人口密集地域を中心に採用が進み、Sub-6は人口密度の低い地域で広く採用されやすい。
5Gの各周波数帯の通信速度は、基地局との距離や、ネットワークのトラフィック量などの要因に左右される。5Gネットワークは現時点で幅広いユーザーに利用されている。しかし当初ユーザーが期待していたような4Gの完全な代替手段にはなっていない。特定の人口密集地域では高周波数帯が利用可能なため、高速な無線ネットワークが利用できる場合があるが、たいていのエンドユーザーが利用するのは中周波数帯の5Gネットワークだ。たとえミリ波が利用できる場合でも、信号が建物の壁を通過する場合は通信速度が低下するので、ユーザーによっては4Gネットワークと比較してわずかにしか速度の向上効果を感じないだろう。
通信事業者は、主に以下の2種類の5Gサービスを開発し、提供している。
ユーザーは通信事業者が提供するセルラー方式の5Gネットワークを使い、無線通信ができる。
組織が専用の5Gネットワークを利用できるサービスだ。プライベート5Gはセルラーサービスの5Gネットワークと同じように機能するが、ネットワークの所有者がユーザーを制限できる点が異なる。
家庭や企業に対して、有線接続を無線通信によって代替してインターネットアクセスを提供するサービスだ。この方法により、通信事業者は各ユーザーが所有する建物に光ファイバーを敷設する必要がなくなる。