Vodafone UKの調査では、英国人はAI技術よりも5Gによって日常生活がより便利になると期待する傾向にあることが分かった。5Gによる変革が期待されている領域は複数に及ぶ。
通信事業者のVodafone UKがコンサルティング会社のWPI Economicsに委託した調査によれば、「5G」(第5世代移動通信システム)の活用が英国に広まることで、さまざまな領域で経済効果が得られることが分かった。例えば、遠隔診療やモノのインターネット(IoT)の活用で、英国の国民健康保険料を年間約10億ポンド節約できる可能性がある。英国民は人工知能(AI)技術より5Gに期待していることも明らかになった。英国民は5Gに何を求めているのか。
英国ではAI技術がブームになっており、新聞の見出しを日々にぎわせている。それでも、Vodafone UKの調査によれば英国の人々は、AI技術よりも5Gの方が、日常生活を改善できると期待している。オンライン医療予約や公共交通機関でのキャッシュレス決済、スマートメーターの普及は、5Gによる社会変革の兆しだとVodafone UKは主張する。
同社の調査では、高齢者の中にはまだ5Gを十分に評価してない人がいることも明らかになった。18歳から34歳は、5Gが日常生活を向上させる可能性があると見ている人は73%であったのに対し、55歳から64歳では31%だった。これは5Gの可能性についてさらなる周知が必要であることを示す結果だとVodafoneは述べている。
Vodafone UKは、英国の成人2000人を対象に5Gから最も恩恵を受けると考えられる分野についても調査している。その結果、医療が31%、エネルギーや水道などの公共事業が21%、鉄道が20%となった。Vodafoneは、これらの分野はエンドユーザーがサービスに最も不満を感じた分野でもあると分析している。
後編は、Vodafone UKが調査を実施した理由と、同社が描いている社会像を紹介する。
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