世界各国で次世代通信インフラの切り札として構築が進む「5G」のネットワーク。5Gネットワークの取り組みが特に盛んなのはどこなのか。今後の技術開発の焦点は何になるのか。
5G(第5世代移動通信システム)ネットワークの普及が進んでいる。そのけん引役となる国や地域はどこなのか。注目される技術開発の焦点は何か。今後の見通しを紹介する。
モバイル通信の業界団体GSM Association(GSMA)の研究部門GSMA Intelligenceは、特にインドやブラジルが5Gネットワーク構築に取り組んでいる状況を受け、アジアや南米が原動力となって5G市場が成長すると見込む。
インドでは2023年、同国の通信事業者Bharti AirtelとReliance Jio Infocomm (Jio)が5Gのサービスを拡大し、5Gネットワーク普及の引き金になる可能性があるとGSMA Intelligenceはみる。2025年末までにインドでは4件の5Gネットワークが構築され、ユーザー数は約1億4500万人になる予測だ。
アフリカでも5Gネットワーク構築が進む。GSMA Intelligenceによると、2023年初頭時点でサハラ砂漠以南の地域における5Gネットワークの普及率は1%未満だが、2025年までに約4%、2030年には約16%に増える見込みだ。
このように5Gネットワークが普及する中、通信業界は「5Gの次のイノベーション」に目を向けている。5Gの次期バージョン「5G Advanced」(5.5G)がそれだ。5.5Gは、仮想空間「メタバース」や大規模なIoT(モノのインターネット)システムの実現に重要な役割を果たすとみられている。Qualcomm Technologiesをはじめとした米国勢に加え、Huawei TechnologiesやChina Mobileなど中国の大手ベンダーも5.5Gの技術開発に注力。実用化に向けた取り組みが活発だ。
後編は、5.5G に関するHuaweiの取り組みに焦点を当てる。
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