Case Study
SCMを担う企業のデータ品質向上法――ハイアット、マリオットの要求に応えるために
ホテル業界向け調達/ロジスティクス/SCMサービス提供大手のアベンドラにとって、CRMシステムこそがビジネスそのものだ。利用拡大とデータ品質の向上を目指し、同社はさまざまな取り組みを実施している。
大手ホテルチェーン向けオンライン仕入れサービス企業アベンドラのCRMシステムは、同社のビジネスで中心的役割を果たしているだけではない。多くの点において、同社のビジネスそのものだ。
だからこそ、ユーザーの間での利用拡大とデータ品質の向上に注力することが、同社にとって非常に重要となる。アベンドラでは、ホテル業界を中心とする全米各地の顧客企業に調達/ロジスティクス/SCMサービスを提供している。同社は現在、ピボタルのソフトをベースとした「エンタープライズリレーションシップ管理(ERM)」システムと呼ぶインフラを使っている。このシステムは、ビジネスのすべての側面を網羅するよう拡張され、同社にとって一元的データベースとしての役割も果たしている。
「社員がこのシステムを使ってすべての情報を完全に取り込み、データの精度を維持しなければ、当社のビジネスを効果的に運営することができない」とアベンドラのCIOは話す。アベンドラはシステムの利用を促進するために、幾つかの手法を開発した。
大手ホテルチェーン向けオンライン仕入れサービス企業アベンドラのCRM(カスタマーリレーションシップ管理)システムは、同社のビジネスで中心的役割を果たしているだけではない。多くの点において、同社のビジネスそのものだ。
だからこそ、ユーザーの間での利用拡大とデータ品質の向上に注力することが、同社にとって非常に重要なのである。アベンドラでは、ホテル業界を中心とする全米各地の顧客企業に調達/ロジスティクス/SCM(サプライチェーンマネジメント)サービスを提供している。同社のジェーン・マリー・ダニガンCIOによると、2001年に世界最大手のホテル運営企業数社のグループによってアベンドラが設立された時点では、マリオットから引き継いだ顧客支出追跡システム以外には、これといったシステムインフラはなかったという。
「最初に取り組む必要があったのは、顧客管理ツールだった」とダニガン氏は語る。
「提案依頼書を発行したところ、カナダのCRMベンダー、ピボタルのツール『Pivotal』がわれわれにとってベストなミドルティアオプションであり、アーキテクチャ的にも適合するとの判断に至った。われわれは顧客管理という側面からシステム配備を開始すると同時に、サプライヤー/契約管理のインフラ構築を進め、この分野でもPivotalを利用できるようにした」(同氏)
こうして完成したのが、アベンドラが現在、「エンタープライズリレーションシップ管理(ERM)」システムと呼ぶインフラである。このシステムのベースとなっているのが、ピボタルのソフトウェアである。このシステムは、ビジネスのすべての側面を網羅するよう拡張され、同社にとって一元的データベースとしての役割も果たしている。顧客企業は、パートナーハブを通じて認定サプライヤーのリストにアクセスすることができる。また、品質保証や財務予測といった機能もERMシステムから実行できるようになっている。アベンドラでは、同社がサービスを提供するホテルの部屋数、プールやゴルフコースの有無といった情報に基づいて支出予測を算出するのにもERMを利用している。
「アベンドラの全社員が、このシステムを使ってわれわれが必要とする情報を取り込む必要がある。社員がこのシステムを使ってすべての情報を完全に取り込み、データの精度を維持しなければ、当社のビジネスを効果的に運営することができない」とダニガン氏は話す。
さらにアベンドラでは、システムの大幅なカスタマイズを行い、社内で利用しているコグノスのリポーティングツールにERMをリンクした。
ERMシステムを成功させるためには、ユーザーへの普及とデータの精度が決定的に重要な要素であるため、アベンドラはシステムの利用を促進するために幾つかの手法を開発した。例えば、データアカウンタビリティ表を作成することにより、社員が入力するあらゆるデータの精度に関する責任の所在を明確にした。また、設定された目標の達成度にボーナスを連動させるようにした。
アベンドラでは、サプライヤーや顧客といったカテゴリー別にデータを分類した上で、統計的に有効なサンプルを取り、これをオリジナルの文書と比較するようにしている。例えば、顧客記録のサンプルをマリオットのオリジナルのデータベースと比較し、データの精度をチェックする。同様に、契約のサンプルもオリジナルの紙の記録と比較している。こういった比較の結果に基づいて、アベンドラはデータの精度の基準を確立する。そして、従業員に対してこの基準の向上を目指したゴールを設定し、その達成度に基づいて年末に現金でボーナスを与えるようにした。ダニガン氏によると、このプログラムは成功したため、アベンドラでは現在、データの精度を改善することよりもデータのメンテナンスに力を入れているという。
「企業文化と意識の向上という点では、間違いなく効果があった」とダニガン氏は話す。ERMシステムは、アベンドラの収益にも貢献している。顧客企業の実際の支出額を割り出し、これをホテルの規模とタイプに基づいて作成したモデルと比較して両者の差を求めるというサービスが、同社の顧客への売り上げ増加につながっているのだ。
しかし不正確なデータが入力されると、下流部門での収益に影響が及ぶことになる。
「われわれのもう1つの任務は、データが下流部門の収益にどんな影響を与えるかを理解できるよう教育・訓練することだ。これは継続的な教育プロセスだ」とダニガン氏は語る。
アベンドラはPivotalシステムの立ち上げに際して、フォーカスグループを組織し、オンラインサーベイを実施したところ、販売担当上級副社長がシステムのメリットを大いに称賛した。また、データ品質ポリシーへの準拠を継続的に維持すべく、システムの重要性を従業員に教育するランチセッションや本格的なトレーニング/認定プログラム、社内誌での広報といった手段も活用したという。アベンドラでは、ログインの頻度やピーク時の利用率といったユーザー指標の測定も行っている。
こういった努力が功を奏し、同社は200社の会員企業の間で100%のユーザー利用率を達成するとともに、ピボタルからは先進的CRM活用企業として認められた。
(この記事は2005年12月14日に掲載されたものを翻訳しました。)
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