札幌を拠点に幅広くビジネスを展開する創業20年の総合印刷事業者であるプリプレス・センター。2003年、情報共有基盤の全面刷新を決断した同社は、ネオジャパンの提供する「desknet's」を導入。なぜdesknet'sだったのか。同社代表取締役 藤田 靖氏に取材した。
プリプレス・センターは、札幌を拠点にビジネスを展開する創業20年の総合印刷事業者である。デザイン、制作・製版、オフセット、オンデマンド印刷などの各種印刷事業(屋外・屋内向けの大型サイン広告制作など)を中心に、大型インクジェット出力、Webページ制作、マルチメディアコンテンツ制作、CD-ROMプレス、レンタルサーバ代行販売なども行っている。
同社代表取締役の藤田 靖氏が事業をスタートした1988年、印刷業界はちょうどデジタルによる印刷技術が注目され始めたころだった。同社は低コスト化、スピード化、そしてエコロジーに対応すべくいち早く業務にデジタル機器を導入、DTP(Desk Top Publishing)による製造体制を確立する。
その後、オフセット印刷機、大判インクジェットプロッタ、オンデマンド印刷機などの生産設備を随時導入し、現在は紙媒体である印刷物のみならず、Webサイトやオーサリングといった電子媒体による情報伝達にも事業範囲を広げて、マルチメディア化を推進している。例えば「Cardbox STORE」は、年賀状、手帳リフィル、卓上カレンダーなどを発注できる同社のオンラインショッピングサイトだ。オンラインで好きなデザインを選んで名前入り年賀状を制作できるサービスは、利用した方がいるかもしれない。常に時代に合った新しいコミュニケーションを考え、最適なコミュニケーションツールを提案するのが同社の経営ポリシーだ。
プリプレス・センターが社内で情報共有の仕組みを必要としたのは、まさに前述のDTPによる製造体制の確立がきっかけだった。デザイン業務にデジタル化が求められ、同社はそれにいち早く対応した。そのため、社員個々人が、導入したMacintoshやその上で利用するPhotoshop、Illustratorなどといった、今やデザイン業務に必須といえるソフトウェアの利用ノウハウを蓄積し、会社全体で共有する必要に迫られたのだ。電子メールは優れたコミュニケーション手段だが、組織で情報を分かち合うのは難しい。「手に入れた情報をみんなで活用できるようにデータベース化したい」という藤田氏の思いがそのまま、グループウェア導入の動機となった。だが10数年前の当時、グループウェアの選択肢は今ほど豊富ではなかった。同社には業務の特性上、MacintoshもあればWindowsもある。クライアント/サーバ型システムが全盛だったこのころ、クライアントのマルチOS環境を満たすのは、名前の知られた外資系グループウェアしか存在しなかった。
同社はいわば消去法でクライアント/サーバ型のグループウェアを導入するのだが、なかなか活用するレベルまでには至らなかったという。というのも、このソフトウェアは自社に合わせた形で使おうとするとプログラミングによるカスタマイズが必要で、そのプログラミングはコンピュータに通じた専門の技術者でなければ困難だった。しかし、情報の共有基盤として受注管理などここに載せたい業務は次々と出てくる。それを実現するには外部に開発を依頼しなければならず、その度に多大なコストが発生する。結局、カスタマイズには消極的になり、限られた機能だけをほそぼそと利用する……。そのような状態が何年も続き、藤田氏の積年の経営課題となっていく。導入当時は10数名だった社員数がすでに50名に達していた。“このままではダメだ。グループウェアを変えよう”と決断したのは、2003年のことだった。
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