ジュニパーはクライアントソフト「Junos Pulse」を用いたモバイル向けセキュリティスイートを発表。モバイルに特化した脅威対策用のラボを開設するなど同分野への意気込みを示す。
ジュニパーネットワークスは10月26日、スマートフォン向けの総合セキュリティソリューション「Junos Pulse モバイル・セキュリティ・スイート」を発表した。Android、BlackBerry、Symbian、Windows Mobile端末に対応しており、iOS端末には2011年に対応予定とする。米国では同日より運用を開始し、日本においては現段階で提供開始日は定まっていない。
同スイートは、ジュニパーネットワークスが提供するクライアントソフト「Junos Pulse」を利用し、モバイル端末の安定したリモートアクセス環境とセキュリティ機能をモジュールとして提供するというもの。エンドポイントにおけるアンチウイルス、ファイアウォール、アンチスパムのほか、万が一端末が紛失した場合に端末の所在や利用経歴を確認できる機能、リモートでアプリケーションの利用制限ができる機能などを備える。
利用者は、モバイル端末にSSL VPN接続するクライアント機能を備えたJunos Pulseをインストールして各種設定(ログイン)をすることでサービスを受けられる。管理者はSaaS(Software as a Service)型で提供される管理ツール上で、各端末の制御項目を設定。SIMの取り出し、取り換え、交換が行われた場合に端末側から自動で警告を送信するといった設定もできるため、盗難時にも遠隔で瞬時に対応できるとする。
ジュニパーネットワークス サービスプロバイダ マーケティング マネージャの佐宗大介氏は「ジュニパーネットワークスの独自調査では、企業に勤めるスマートフォンユーザーのうち、80%が私用端末を用いて会社に気付かれることなく(もしくは許可を取ることなく)社内ネットワークにアクセス、さらに59%は日常的にアクセスをしていることが分かった。今後はコンシューマー分野とエンタープライズ分野の境界がよりあいまいになる場面が増えることを予想すると、企業は現段階で業務用と私用の切り分けを提示、実施していくことが必要だ」と述べる。そうした取り組みは、企業情報を保護するだけでなく、モバイル市場全体の新規アプリケーションやビジネス機会を開拓するとしている。
なお同社では今回の発表に伴い、モバイル端末における脅威を専門で研究・対策を行う研究所を開設した。米国カリフォルニア州にて24時間体制でモバイル端末を狙う脅威を監視している。
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