トレンドマイクロが実施したクラウドセキュリティに関する調査では、世界6カ国の中で日本はクラウド導入率が低い傾向にあり、インフラとデータセキュリティに強い懸念を持っていることが分かった。
トレンドマイクロは7月29日、世界6カ国を対象に行った「クラウドセキュリティに関するグローバル調査」の結果を発表した。同調査は、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ、インドの企業に勤務する1200人(各国200人)を対象に、トレンドマイクロが2011年5月に実施したもの。対象者は従業員数500人以上の企業に在籍し、クラウドサービス、サーバ仮想化、仮想デスクトップ(VDI)のいずれかの購買について意思決定権限を持つ管理者である。
トレンドマイクロでは、同調査の結果を国内・海外に分けて比較分析している。例えばクラウド導入状況は、パブリック・プライベート共に国内は海外よりも低い傾向にあることが分かった。
パブリッククラウドの導入状況は、国内の導入済み(運用中・実装中)が20.0%、試験的導入・検討中が58.5%なのに対し、海外の導入済みは37.3%、試験的導入・検討中は50.6%と、導入状況に差が見られた。プライベートクラウドについても、国内の導入済みが26.0%、試験的導入・検討中が55.5%に対し、海外の導入済みは37.6%、試験的導入・検討中は53.1%と、やはりこちらも導入済みの割合にやや大きな開きがある。ただし国内の試験的導入・検討中の割合はプライベート・パブリック共に半数以上の割合を占めることから、トレンドマイクロでは国内でも今後クラウドの浸透が進むと予測している。
一方で、クラウド導入時に障壁となる点としては、国内・海外共に「データ・インフラのセキュリティ」が上位に挙げられた(国内60.0%、海外48.5%)。セキュリティ以外では「費用対効果または投資収益率が不明確」や「クラウドの有効性」への関心が高い。海外との比較では「データ・インフラのセキュリティ」と「費用対効果または投資収益率が不明確」が国内企業のクラウド導入を拒ませる要因となっているようだ。
なお、過去1年以内にクラウド利用中にセキュリティ上の問題を経験した企業は国内が44.0%、海外が42.7%と、いずれも4割ほどが実際の運用時にセキュリティ上の不備や問題が起きている現状にある。
本調査ではこの他にも、「サーバ仮想化の運用状況とクラウド導入率の関係」や「VDI(仮想デスクトップ)の導入状況と目的」なども国内・海外比較でまとめている(プレスリリースはこちら)。
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