単なる“全社仮想化”とは違うプライベートクラウドの本質的価値サーバ仮想化からプライベートクラウドへの道(1)

仮想化によってITシステムを統合することと、プライベートクラウドを展開することは違う。両者の違いを整理しながら、プライベートクラウドへの移行ステップを解説。プライベートクラウドの本質的な価値に迫る。

2012年05月24日 09時00分 公開
[榎本瑞樹,日商エレクトロニクス]

 先日、社内でプライベートクラウドを構築したという某製造業のIT部門の部長に話を聞くことができた。部長いわく「確かにイニシャルコストは下げることができたが、IT部門スタッフの仕事は増え、運用コストが上がって困っている。プライベートクラウドは意味がなかったのだろうか?」という愚痴をこぼしておられた。

 「どのようにプライベートクラウドを構築したのですか?」と聞くと、「全国の拠点に設置されている約100台のサーバをデータセンターに集約し、20台の物理サーバ上にVMwareを導入してサーバ仮想化環境を作った。これがわが社のプライベートクラウドだ」とのことだった。いわゆる「なんちゃってクラウド」だ。これでは、本当の意味でのクラウドのメリットを享受できない。

 そこで本稿では、仮想化技術を使って「サーバやストレージなどのITシステムを統合すること」と「プライベートクラウドを展開すること」の違いを整理しながら、プライベートクラウドへの移行ステップを解説。さらには、プライベートクラウドの本質的な価値に迫ってみたい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...