アプリケーション仮想化の主要3製品を比較する後編では、VMware ThinAppとMicrosoft App-Vの特徴を解説する。
Citrix XenApp 6.5の機能を紹介した前編「アプリケーション仮想化でCitrix XenAppを選ぶ理由とは?」に続き、後編ではVMware ThinAppとMicrosoft App-Vの特徴を見ていく。
「VMware ThinApp」は、「Citrix XenApp」と「Microsoft App-V」には見られない機能を備えている。その1つが、オフラインアプリケーションを配信する機能だ。また、アプリケーション仮想化ツールの可搬性という点でも最も優れている。ソフトウェアやデバイスドライバをインストールする必要がないので、ほとんどどこからでもThinAppアプリケーションを実行することができるのだ。空港のラウンジなど離れた場所からアプリケーションにアクセスする場合でも、管理者権限は必要とされない。
しかし「ThinAppを配備するのは容易ではない」と指摘する管理者もいる。一元的な管理プラットフォームが用意されていないので、アプリケーションの管理も面倒だという。クラウドとモバイル機能の試験運用を行っている企業であれば、「ThinApp 4.7」が米VMwareの「Horizon Application Manager」と連係していることも知っておく必要があるだろう。
ThinApp 4.6はVMware View 4.5以上のバージョンと連係するが、全ての管理者が仮想化されたアプリケーションを仮想デスクトップに配信する必要があるわけではない。特にThinAppアプリケーションをView環境で利用している場合には、各アプリケーションのライセンス、管理および配備に関して知っておかねばならないことがたくさんある。
VMwareが新たに開発した「ThinApp Factory」は、アプリケーションのパッケージングプロセスを自動化する。この仮想アプライアンスは「VMware vCenter」または「VMware Workstation」に組み込むことにより、エンコードと配布作業を自動化してくれる。
App-Vは一元管理機能を備えており、管理者はユーザーのアクセスを特定のアプリケーションだけに限定できる。このアプリケーション仮想化ツールは、Windows 7あるいはWindows 8への移行を進めている企業の間で人気が高い。仮想化されたWindowsアプリケーション(Officeなど)との相性がいいからだ。最新版のApp-V 5.0ではディスク要件が緩和され、アプリケーションのローカルインストールが不要になった。また、アプリケーションの診断・監視機能も強化された。
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