ITEM2013で見た、クラウドサービスが提供する医療連携の付加価値「2013国際医用画像総合展」イベントリポート

2013年4月12日から14日まで開催された「2013国際医用画像総合展」。医用画像の外部保管や検査機器の予約など、医療機関間の連携を支援するクラウドサービスの出展内容を紹介する。

2013年04月19日 08時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]
photo 主催者の発表によると、3日間で2万1559人が来場

 医用画像機器および周辺機器の総合学術展示会である「2013国際医用画像総合展」(以下、ITEM)が、2013年4月12日から14日までの3日間、パシフィコ横浜で開催された。今回のITEMでは医用画像の共有や業務効率化などの機能をクラウド経由で提供するサービスが出展された。本稿では、クラウドサービスを中心にPACS(医用画像管理システム)関連の出展内容を紹介する。

医療機関間の情報連携を支援する「infomity連携BOXサービス」 コニカミノルタヘルスケア

 コニカミノルタヘルスケアの「infomity」は、同社のCR装置「REGIUS」シリーズなどの医療機器のリモート保守、経営支援など各種メニューを提供する包括的なサポートサービスだ。そのメニューの1つとして、医療機関間の情報連携を支援する「infomity連携BOXサービス」(以下、連携BOXサービス)を提供している。

 連携BOXサービスは、院内システムにある医用画像や動画、業務文書データなどをコニカミノルタヘルスケアのインターネットデータセンター(iDC)に転送し、遠隔地の医療機関や院外の医療従事者が閲覧して情報を共有する。例えば、連携BOX内にあるDICOM形式の医用画像は、専用ビュワー機能を備えたWebブラウザ画面で画像の操作や閲覧が可能だ。

photo 連携BOXサービスの画像参照例《クリックで拡大》

 また、iPadやiPhoneなどから連携BOX内のデータを参照できる「連携BOXモバイルサービス」、地域中核病院のCT/MRIなど、検査機器の空き状況確認や検査予約をオンラインで実施可能な「検査予約サービス」などのオプションメニューも用意している。

 同社は、連携BOXサービスの運用イメージとして3つの利用パターンを主に想定している。

  1. 救急運用支援
  2. 読影運用支援
  3. 患者紹介支援

 例えば、救急患者への対応を地域の中核病院や院外の専門医などに相談するといったコンサルテ―ション運用が可能だという。特に、連携BOXモバイルサービスを利用すると、自宅のPCやiPhone、iPadなどのスマートデバイスで画像を閲覧でき、迅速な判断や指示につなげられるとしている。院内に専門医がいなかったり、2次救急センターにおける夜間の緊急対応などで効果が期待されるという。

photo スマートデバイスでの利用例。画像の拡大やコメント記入なども可能

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