2012年は医療の現場でタブレット端末の採用が急拡大した。その傾向は2013年も続くのだろうか。米国の医療従事者150人への調査結果を基に、2013年の医療ITを占う。
米医療ITベンダーCDW Healthcareの販売担当責任者ジョナサン・カール氏によれば、2012年に医療の現場でタブレット端末の採用が急拡大したことから判断すると、2013年には「診療の現場でより頻繁にタブレット端末が使われることになりそうだ」という。ただし、その用途は必ずしも患者のカルテとは限らないようだ。
CDWが最近150人の医療従事者を対象に行った調査では、タブレット端末を用いた電子カルテ(EHR)の閲覧や編集、データ入力などは、まだ一般的ではないことが明らかとなった。iPad対応電子カルテのメリットをベンダー各社が宣伝しているにもかかわらずだ。カール氏によれば、医療従事者は基本的な業務アプリケーションへのアクセスにタブレット端末を使用しており、EHRシステムを利用するにしても用途の大半は臨床データの閲覧だという。
「医療従事者は患者との間では、主に教育や情報提供のためのツールとしてタブレット端末を使い、自分用にはメールやWebサイトの閲覧、ファイルストレージなどを主に使っている」とカール氏は言う。
この他、調査からは以下のことも明らかになった。
こうした種々雑多な端末の中で、スマートフォンはどのように位置付けられているのだろうか。CDWのデータによれば、スマートフォンとタブレット端末の用途はほとんど重複していないようだ。スマートフォンは通常、ナースコールや緊急通報など、ワークフロー内の特定のタスクに使われる。一方、タブレット端末は画像やテキストデータの閲覧の他、他の医療従事者との間で意見や助言を交わしたり、薬に関する質問やフォローアップにも使われている。
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