国際モダンホスピタルショウ2013に見る
ITシステムが病院経営を丸ごと支援、その最前線は?
近年、「診療情報の分析」「経営指標の把握」「人事管理」など経営支援を目的にITを導入する医療機関が増えている。経営の効率化を支援するITサービスを紹介する。
厚生労働省が2007年に発表した「病院におけるIT導入に関する評価系」では、病院のIT化の目的を16項目に大別している。「医療従事者の業務改善」「事務スタッフの事務作業の効率化」「患者待遇の向上」「患者情報提供サービスの向上」など業務関連だけでなく、「経営指標の把握」「人事管理」など医療機関の経営支援を目的としたIT導入が含まれている。2013年7月17~19日に東京ビッグサイトで開催された「国際モダンホスピタルショウ2013」では、そうした病院経営を支援する製品・サービスが出展されていた。本稿では、その一部を紹介する。
診療情報の統計・分析を支援する医療用DWH「CLISTA!」
医用工学研究所は、医療用データウェアハウス(DWH)システム「CLISTA!」を展示。CLISTA!は、病院経営、診察・研究、事務業務の効率化などを目的に医療機関の診療情報の二次利用を支援する。CLISTA!の基本構成は、分析・統計ツール「CLISTA!」、検索・抽出ツール「CLISTA! SEARCH」、統計データ共有ツール「CLISTA! Web」の3種類。電子カルテやオーダリング、レセコン、各部門システムなどのデータを蓄積して、検索や統計などを実施できる。
CLISTA!では、診療科や病名、各種コード、検査値、日付などの条件設定で診療情報の統計が可能。治験やがん登録、薬剤リスト、患者リストなどを抽出でき、簡易集計機能や絞り込み検索、検索機能テンプレートなどの機能を搭載している。また、経営分析機能としては、統計の定型化・自動化、臨床分析などの機能を備えている。
その他、統計・分析処理の自動化ツール「CLISTA! Background」、患者別・診療別の原価計算ツール「CLISTA! 原価計算」、DPC分析モジュール「CLISTA! DPC」などのオプション機能を提供。これらを組み合わせることで、医事統計や手術・検査などの原価分析、DPC分析用統計帳票の出力などが可能だ。同社によると、CLISTA!は200床以上の比較的規模が大きい病院を中心に60施設で導入されているという。
近年、病気になったら治す“治療医学”に対して、病気を未然に防ぐ“予防医学”への取り組みが進んでいる。潜在的な疾病リスクを抱える患者の疾病予防や傷害の重症化を防ぐため、専門医による治療、保健指導など早期の介入が求められている。医用工学研究所は、そうした専門医の積極的な介入を支援する疾病管理システム「iCatch up」を展示。
iCatch upは、CLISTA!で集約された診療データをスクリーニングし、潜在的な疾病を抱える患者候補を抽出する。その中から、診療内容を追跡する必要がある患者の経過情報を一元的に管理するシステム。疾病管理患者の来院状況や経過状況に合わせてアラート表示することで、患者の来院を促すこともできる。
複雑な勤務シフトを自動調整する「勤務シフト作成お助けマン」
看護師は日勤、夜勤、早出、遅出など特殊な勤務シフトで日々業務に従事している。業務看護師長などの管理者はスタッフ1人1人の希望も考慮し、なるべく公平かつ適正な勤務シフトを作成する必要がある。しかし、複雑な条件やローテーションを組むことは煩雑な業務だといえる。
そうした勤務シフト作成業務の負荷を軽減できるシステムが、鉄道情報システムが展示していた「勤務シフト作成お助けマン」だ。勤務シフト作成お助けマンは、スタッフの勤務希望や条件を考慮した勤務表を自動作成できるASP型サービスだ。
このツールでは、まずスタッフの休暇予定や勤務希望を入力。スタッフごとの月間の勤務回数や勤務日ごとの対応人数など、条件設定を行うと自動的に勤務表を作成する。シフト割り当てでは、夜勤の連続を避けたり、日勤のみのスタッフなど個人の勤務体系に合わせて調整できる。また、夜勤シフトを先に確定したり、スタッフの同日勤務の可/不可などを調整条件に指定できる。
勤務表は、Microsoft Excel形式や厚生労働省が定める「入院基本料等の施設基準に係る届出書添付書類」(様式9)形式で出力することも可能。病院や福祉施設などで既に導入されており、鉄道情報システムによると「条件設定を細かく設定できる点が好評」という。
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