ワークロード中心のネットワークを構築するための管理ツールComputer Weekly製品導入ガイド

ビジネスニーズに対応したワークロード中心のインフラを構築するには、インフラを標準化、自律化、従量利用化して、パワフルで柔軟性の高いIT機能にユーザーが高速アクセスできるようにする必要がある。

2013年12月05日 08時00分 公開
[Andre Kindress,Computer Weekly]
Computer Weekly

 ワークロード中心のインフラでは、インフラ・IT運用チームがスイッチやファイアウォール、負荷バランサ、オプティマイザといったインフラ要素を調和させ、適切なユーザーに適切なサービスを、適切なタイミングと適切な場所で提供しなければならない。ワークロード中心のネットワークでは、こうした要素の設定を即座に調整してアウトプットをモニタし、新たに生成したサービスがビジネスポリシーとルールの範囲内に収まっていることを確認する。

自動化の推進

 Cisco、HP、Juniper Networksなどのサプライヤーは最近、インフラ・IT運用チームが現在のインフラを活用して、自動化やオーケストレーションサービスを追加できるオプションを発表した。Extreme NetworksとJuniper Networksは管理ツールを公開・改定して、データパスやポリシー、ルーティング、要素、発見、セキュリティと管理機能、下位通信の完全なライブラリに開発者がアクセスできるようにした。

 SDN(Software Defined Network:ソフトウェア定義ネットワーク)では、下位インタフェースはOpenFlow(または代替の)プロトコル規格だ。その主な機能は、SDNコントローラーとネットワークノード間の通信を可能にすることにある(物理および仮想スイッチとルータの両方とも)。

 自動化には下位コントロール以上のものが必要だ。管理ツールへのAPI組み込みにより、ユーザーの動的フィードバックループ、セッションあるいはアプリケーション分析への扉が開ける。このAPIは、オーケストレーションシステムをフィードするための上位通信を実現する。SDNコントローラー上の上位APIによって、アプリケーションとオーケストレーションシステムがネットワークをプログラミングして、そこからサービスをリクエストすることが可能になる。閉鎖ループシステムは上位通信と下位通信を必要とする。

 ワークロード中心ネットワークへの転換と普及には時間がかかり、インフラ・運用チームの対応状況にも左右される。多くの企業は、プライベートクラウドへの移行に対応するため、データセンター内部で自動化の採用を加速させる差し迫った必要性を抱えている。

プロセス、手順、役割、責任の標準化

 どのような技術オプションを選ぶにしても、準備なしに価値を引き出すことはできない。Forresterではプロセス、手順、役割、責任の標準化を勧めている。

 インフラ自動化のためにはインフラ・IT運用チームが基準を持つ必要がある。基準があってこそ、ワークロードのパフォーマンスやユーザーの使用感を最適化するための変更を行うことができる。

 Forresterは顧客のネットワーク評価にかかわる中で、この分野の発展が一貫して遅れていることに気付いた。設定ファイル、製品、ファームウェア、アーキテクチャの標準を文書化している顧客はごく少数にとどまる。Forresterは主要な運用処理業務の現状を評価し、ITILを中心としてプロセスとスキルを標準化するためのプロセス成熟モデルを提供している。

ツールへの投資

 Forresterは、ネットワークチームによるネットワーク活用を支援するためのツールにインフラ・IT運用チームが投資することを奨励している。

 ネットワークチームはネットワークに関するあらゆる決定の責任を持たなければならず、既に伸び切った状態にある。例えば、新しいアプリがロードされるたびにIPアドレスを発行することは、ネットワークチームにとってほとんど価値はない。高度なDNS、DHCP、IPAMツールがあれば、サーバチームに割り当て可能なIPアドレス設定のためのワークフロープロセスが提供され、サーバチームは必要に応じてIPアドレスを取得できる。

 これによって無意味に繰り返される業務が減少し、例えばソフトウェア開発キット(SDK)を使ってオーケストレーションシステムをネットワーク管理ソフトウェアと連動させるといった、高度な技術スキルに集中できるようになる。

ソフトウェアスキル

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