日本は人口減や労働力確保のため、外国人看護師・介護福祉士候補者を受け入れている。人材育成の課題が指摘される中、国内外での人材育成事業により、47カ国で人的ネットワークを構築した取り組みを紹介する。
日本政府はEPA(経済連携協定)の一環として、外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れを進めている。インドネシア(2008年)やフィリピン(2009年)に加えて、2014年にはベトナムからも候補者を受け入れる予定だ。既に来日した候補者のうち、2013年度の看護師国家資格試験の合格者は30人に上る。
ただし、試験に合格したものの、日本語能力が十分ではないことが、申し送りや看護記録の記入、検査などにおける患者への説明の“壁”になっているという声も少なくない。患者が痛みを訴える際に使う、日本語特有の表現に戸惑うこともあるようだ。
こうした課題対応の側面支援に取り組んでいる組織の1つが、一般財団法人 海外産業人材育成協会(HIDA)である。同組織は、特例財団法人 海外技術者研修協会と特殊財団法人 海外貿易開発協会の合併により2013年に設立。人材育成を通じて「共に生き、共に成長する」世界の実現を図ることを目的に、開発途上国の産業人材を対象とした研修や専門家派遣などの技術協力に取り組んでいる。
本稿では、2014年2月28日に開催された医療クラウド推進コンソーシアム第2回勉強会の基調講演「HIDA(旧AOTS)の活動とその活用方法について」におけるHIDA 総務部長 下大澤 祐二氏の講演内容を踏まえて、医療分野での活用が見込まれるHIDAの活動内容を紹介する。
HIDAの事業活動は次の3つに大別される。
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