IT担当者が知っておくべき最新モバイルOSの進化
「iOS」ユーザーも気になる? 「Android 4.4 KitKat」がきっと欲しくなる注目機能
米Googleの最新モバイルOS「Android 4.4 KitKat」には、パフォーマンスの向上やインタフェースの改善の他、さまざまな強化が図られている。本稿では、IT担当者が知っておくべき新機能を解説する。
米Googleが提供する「Android 4.4 KitKat」(以下、KitKat)は、前バージョンよりも速くスムーズに動作するように設計されている。ユーザーインタフェース(UI)はよりシンプルになり、パフォーマンスの向上の他、新しいアプリや既存アプリの機能強化によってユーザーエクスペリエンスが改善している。
KitKatでは、利便性を向上させる新機能が追加されただけでなく、メモリ使用量やリソース消費量が少なくなった。また、メモリ使用効率の向上、セキュリティ、アプリ開発ツールなど、多数の新機能が追加されている。その結果、より柔軟性の高いAndroidアプリを開発することが可能になる。
システム内部の進化:メモリとセキュリティ
Googleは、KitKatのシステムのサイズを小さく抑え、タッチ操作の応答速度や精度を向上した。だが、さまざまなパフォーマンス強化の中でも、注目すべきはメモリ使用効率の向上だ。KitKatの全ての主要コンポーネントは、メモリを有効活用するように効率化が図られている。これにより、システムの応答速度が向上した他、メモリ容量が512Mバイトといった旧式モデルでも動作するなど、利用可能なデバイスの範囲が広がった。さらに、アプリのメモリプロファイルを解析できる開発者向けオプションなど、メモリの使用状況を分析する新しいツールも導入された。
KitKatでは、応答速度が速く、メモリ使用効率の良いアプリを作成する際に役立つ、新しいアプリケーションプログラミングインタフェース(API)が導入されている。また、演算処理の多いタスクを高速に実行するフレームワーク「RenderScript」については、継続的にパフォーマンスの向上が見られる。KitKatはグラフィックス処理能力が向上しており、RenderScript機能を使用するアプリはその恩恵を享受することができる。開発者はコードを修正したり、再コンパイルする必要がない。
セキュリティの面でも、さまざまな機能が強化されている。例えば、「Security-Enhanced Linux」(SELinux)により、アプリのサンドボックスが強固になっている。これは、OSレベルのリソースにアクセスできるユーザーやアプリを制限する統合モジュールだ。また、組み込みの仮想プライベートネットワーク機能が強化され、追加の暗号化アルゴリズムもサポートされた。
NFC(近距離無線通信)機能も強化された。NFCとは、デバイス間の無線通信を確立するための規格であり、KitKatでは、クレジットカードの決済処理などセキュアなワイヤレストランザクションが行えるようになった。
新たな世代のアプリ
KitKatに搭載される新機能の多くは、アプリ開発に有用だ。例えば、新たに実装された「Full-screen Immersive mode」(immersiveは“没入した”を意味する形容詞)は、アプリを全画面表示(ステータスバーやナビゲーションバーなどのシステムUIを非表示)することが可能。動画の視聴や読書用のアプリに適している。新たに加わった歩数計を使えば、開発者が一から機能を構築することなく、ユーザーの身体活動を計測することができる。また、「Chrome WebView」機能(Webコンテンツが埋め込まれたアプリケーションで、Chromeを使用してWebコンポーネントを表示可能)が強化された。WebViewのエンジンはこれまでWebkitベースだったが、KitKatからはChromiumベースに変更されている。
高品質なアニメーションに対応する新しい遷移フレームワーク、強化されたHTTPライブストリーミングプラットフォーム、デジタルシグナルプロセッサへのオーディオトンネリングといった機能も実装された。ラウンドネスエンハンサー、オーディオモニタリングといったツールもKitKatアプリから利用可能になった。これらの機能を使えば、音声コンテンツの音量を向上したり、オーディオレベルの最新情報を取得したりできる。
新しいBluetoothプロファイルが追加され、接続できるBluetoothデバイスの種類が増えた。また、赤外線通信に対応し、テレビなどの家電機器をAndroid端末から遠隔操作できるようになる。
ユーザーエクスペリエンスの向上
KitKatをインストールし、まず気が付くのがインタフェースの変更点だろう。ステータスバーは半透明になり、UIはより機能的になった。システムUIの配色は変更され、ウィジェットはアプリドロワーに表示されなくなっている。これらは、大きな変更というわけではないが、小さな改善を幾重にも積み重ねることで、さらに洗練された環境を実現している。ユーザーは、画面の移動がよりスムーズにより、処理速度が向上したことを実感できるだろう。
KitKatでは、ファイルの閲覧とアクセスを容易にする新たなストレージアクセスフレームワークが実装された。Googleが提供するオフィススイート「Quickoffice」もプリインストールされている。「Dropbox」や「Googleドライブ」といったクラウドストレージアプリから文書ファイルをQuickofficeで直接開くことが可能だ。字幕機能も追加され、言語やテキストのサイズ、スタイルを設定することができる。
KitKatがインストールされたスマートフォン「Nexus 5」には、「Google Nowランチャー」が搭載されている。これは「Google Now」をホーム画面に統合するものだ。例えば、「OK、Google」と音声入力するだけで検索を開始できる(言語設定が英語でないと利用できない)。
KitKatには他にも多くの機能が追加されている。「ハングアウト」アプリにおけるSMSメッセージングのサポートもその一例だ。これにより、Google+のテキストとビデオチャット、Googleトーク、SMSメッセージングを1つのインタフェースから管理できる。
電話機能も強化された。例えば、新しいダイヤルアプリには検索機能が統合されている。そのため、企業名を入力するだけで、連絡先に登録されているかどうかに関係なく、その企業の電話番号を取得できる。また、連絡先に登録されていない電話番号から着信があると、発信元をGoogleマップのビジネス情報と照らし合わせる機能もある
写真やドキュメントなどの印刷機能も強化されている。「Google CloudPrint」や「HP ePrint Center」対応のプリンタや、Google Playストアからアプリをダウンロードしたプリンタで印刷できる。電子メールやダウンロードアプリの機能も刷新されており、メッセージ、ファイルなどの整理や操作もさらに容易になった。
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