英国の映像製作会社がGPUとDaaSを組み合わせた映像製作インフラを構築。不向きとされていたグラフィックス分野での仮想デスクトップ活用が始まった。
英国アカデミー賞の受賞歴を持つ英Jellyfish Picturesは、SFドラマ『Doctor Who』(ドクター・フー)、刑事ドラマ『Line of Duty』、ドキュメンタリー『Natural History Museum Alive 3D』などの英国の人気テレビ番組を手掛ける、視覚効果およびアニメーションの製作会社だ。同社は英国のクラウドプロバイダーExponential-eと提携し、Graphics Processing Unit(GPU)に特化したDesktop as a Service (DaaS)を開発した。これにより、映画、テレビ、広告の各業界のアニメーションや制作の専門家にスケーラブルなコンピューティングリソースにオンデマンドでアクセスする環境を提供し、英国のクリエイティブコンテンツ製作業界全体の競争力向上に貢献している。
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「われわれは、クリエイティブで画期的なテクノロジーを実現できると強く確信している」と話すのは、Jellyfish PicturesのCTO(最高技術責任者)ジェレミー・スミス氏だ。「映像製作業界向けのシステムで、スケールアップやスケールダウンを実現するのは本来困難が伴う。要求される処理速度を確保すると同時に、セキュリティとプライバシーにも配慮しなければならないからだ。このサービスを実現したことで、最高の人材を起用しやすくなった。また、クリエイターの働き方も自由度が増した。作業のためだけに、実際のスタジオにわざわざ来てもらう必要がなくなった」とスミス氏は語る。
DaaSとGPUを組み合わせることで、スタジオはプロジェクトの状況が変わっても、すぐに対応できるようになる。また新しいプロジェクトの要件を迅速に満たそうとして、コンピューティングリソースをスケールアップするかどうか悩む必要もなくなる。
DaaSとGPUを組み合わせると、ハードウェアもソフトウェアもリプレースの頻度は下がる。在宅勤務者が多いJellyfish Picturesの場合、多額の先行投資が必要なモデルから(クラウドの)利用料金だけを支払うモデルに移行すれば、IT関連の経費を節減できる。
「VFX(視覚効果)の業界の性質として、何人かでチームを組んでプロジェクトに従事するのが典型的なやり方だ。テクノロジーのリソースも、フリーランスの人材のリソースも、必要になったときだけ調達することが多い」と、Exponential-eの最高責任者、リー・ウェイド氏は説明する。
クラウドのグラフィックサービスが登場したことで、Jellyfish Picturesはアニメーターから演算処理の性能やキャパシティーの要請があった場合にも、既存のオンプレミスアーキテクチャだけに頼る必要がなくなった。それどころか
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