スポーツブランドのQuiksilverは、Eコマースの売り上げを65%も向上させた。同社の成功の秘密とは?
現在米国に本社を置くスポーツブランドの豪Quiksilverは、クラウドベースのEコマースプラットフォームを拡大して65%の売上増を達成した。
主にアウトドア関連のスポーツウェアを扱っている同社は、ヨーロッパではオンプレミスのシステムから米Demandwareのクラウドプラットフォームへ移行した。現在は少しずつこのプラットフォームをグローバルに拡大し、全システムの統合を目指している。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2月18日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
Quiksilverのグローバルデジタル部門担当副社長、ニコラス・フーレ氏が本誌Computer Weeklyのインタビューに応じて語ったところによると、同氏が2011年にコンシューマー向けEコマース部門を担当した当時、同社のオンライン販売事業は伸びてはいたものの、競合他社のEコマース販売の成長に比べるとやや後れを取っていた。そのころ同社は、既にマーケティングのプラットフォームもオンラインショップも一通りそろえていた。そこでフーレ氏は、この両者を統合することを提案した。Quiksilverがそれぞれの商品を世に送り出すまでのストーリーを、顧客により身近に感じてもらうことを狙ったのだ。
同氏はこの施策について次のように語る。「われわれは(Quiksilverが所有する)ブランドを育てることに携わっている。そこで成功を収めるには、商品に込めたわれわれのストーリーをWebサイトで伝えていかなければならない。それが最終的に、たくさんのお客さまの注目を当社の商品に集めることにつながるからだ」
商品のストーリーを伝えることと購買体験の統合を実現する取り組みに着手して間もなく、同社は当時使用していたオンラインショップのプラットフォーム、Microsoft Commerce Serverが古臭くて時流に合わなくなっていることに気づいた。そこで米Demandwareを採用して環境を一新した。
新しい環境でマーケティングプラットフォーム、コンテンツ管理システム、Eコマースアプリケーションを統合して実装するのに4カ月半かかったが、その時間のほとんどは商品番号の管理に費やした。
今では商品の詳細情報、レビュー、表現豊かな画像や映像が新しいプラットフォームに搭載されて、これらがブランド体験の統一感を実現することに一役買っている。さらにQuiksilverの公式ブログと同社ブランドのRoxyのブログでは、サーフィンとスキー関連の話題を継続して提供している。ブログではさまざまな技のコツやアドバイスを画像と映像で説明したり、画像や映像で使用している商品の購入ページへのリンクを同じページに掲載したりしている。
ただしグローバル化の観点では不完全で、同社のEコマースプラットフォームは地域によって異なるサプライヤーを利用している。例えばアジア太平洋地域では米eBayの子会社である米Magento、米国内では米Oracleが買収した米ATGの製品をそれぞれ採用している。
「地域間で、Webサイトの統一はほとんど行っていない」とフーレ氏は説明する。「基本的にグローバルで統一しているのはロゴ、ブランド、主要なキットの一部だけだ。それ以外は各地域の独自性に任せている」
しかし数年前にテクノロジーの統一に着手して以来、Quiksilverも自社のグローバル化に力を入れている。
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 2月4日号:クラウド価格競争の意外な結末
Computer Weekly日本語版 1月21日号:クラウドプロバイダーとの関係が破綻したら?
Computer Weekly日本語版 1月7日号:CIOがハマる5つの落とし穴
次世代生成AIで優位に立つのはMeta? Google? それともマスク氏のあの会社?
生成AI時代において、データは新たな金と言える。より人間らしい反応ができるようになる...
GoogleからTikTokへ 「検索」の主役が交代する日(無料eBook)
若年層はGoogle検索ではなくTikTokやInstagramを使って商品を探す傾向が強まっているとい...
B2B企業の市場開拓で検討すべきプロセスを定義 デジタルマーケティング研究機構がモデル公開
日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構は、B2B企業が新製品やサービ...